世界的な長期金利の高止まりと強まるリスクオフへの警戒
米国をはじめ、日本、欧州でも長期金利の上昇が続いています。足元では主要国の国債が同時に売られる場面が目立ち、世界的に長期金利が高止まりする状況となっています。
米国10年債利回りは5.2%前後まで上昇し、2007年以来の高水準です。5%を明確に上回る金利水準が続けば、株式や暗号資産などのリスク資産にとっては無視できない重しとなります。
日本の10年国債利回りも3.10%前後まで上昇し、1996年以来の高水準にあります。欧州でも、英国やフランス、ドイツの長期金利が2008~2009年前後以来の高水準まで切り上がっており、主要先進国で同時に金利上昇圧力が強まっています。
長期金利の上昇は、政府だけでなく企業や家計の資金調達コストを押し上げます。金利上昇が長期化すれば、財務体質の弱い企業や高レバレッジの投資主体を起点に信用不安へ波及する可能性もあり、相場は重要な局面に入ってきたと言えるでしょう。また、原油高などを背景にインフレ圧力が残れば、各国中央銀行が追加利上げを迫られるリスクもあります。
暗号資産市場は8~9月にかけて上昇基調を維持してきましたが、外部環境を踏まえると、ここからは再びリスクオフへの警戒を強めたい局面です。
BTC(ビットコイン)、MACDではダイバージェンスを確認、反落に警戒か
BTC/JPY日足チャート:上昇の勢いが鈍化、反落に注意
BTC/JPY日足チャート分析です(図表1)。
日足では依然として高値圏でのもみ合いが続いています。目先は1300万円手前のサポートラインが意識されやすく、この水準では押し目買いが入りやすいと考えます。
さらに下押しした場合、SMA30(黄色)が1250万円付近に位置しています。上昇トレンドラインとも近いため、1300万円手前と1250万円前後を二段階の押し目候補として見ておくと良いでしょう。
ただし、MACDでは価格上昇に対してモメンタムが追随していないダイバージェンスが確認できます。日足レベルでは上昇の勢いが鈍化しつつあり、短期的な反落には注意が必要です。
BTC/JPY4時間足チャート:ディセンディングトライアングル形成中、下値割れを警戒
続いてBTC/JPYの4時間足チャートです(図表2)。高値圏でのもみ合いが続いていますが、足元では上値を切り下げながら下値を試すディセンディングトライアングルを形成しつつあります。
この形状は下値を割り込みやすく、ブレイク後は右肩下がりの並行チャネルへ移行する可能性もあります。1270~1280万円付近の下限ラインも視野に入れながら、リスク管理をしていきたいところです。週半ばに下値を更新する場合には、SMA90(水色)もサポートとして意識されやすくなります。そのため、下落局面では一方向に売り込むというより、複数のサポート候補を確認しながら押し目を見極めたい局面です。
ETH(イーサリアム)もダイバージェンスに注意
ETH/JPY日足チャート分析です。(図表3)
ETH/JPYもBTCと同様に、高値圏でやや形状が悪化しつつあります。MACDではダイバージェンスが出現しており、一度、上昇トレンドラインやSMA30(黄色)付近まで下押しする可能性を考慮しておくべきでしょう。
その水準で下げ止まり、再び上値を試す展開になれば、直近高値を更新する可能性も残されています。現状は高値を追いかけるよりも、やや深めの押し目を待ってからエントリーを検討する方がリスク管理しやすい局面だと考えます。
世界的な債券金利の上昇は、企業や投資家の資金調達コストを押し上げ、株式や暗号資産などリスクオン資産の上値を重くする要因となります。特に長期金利が高止まりする局面では、リスク資産から債券へ資金が移る動きにも注意が必要です。
今週(9月28日週)の暗号資産(BTC・ETH)動向のポイント
・米国10年債利回りは5%台、日本10年国債利回りは3%台まで上昇し、主要国で長期金利の高止まりが続いている。
・長期金利上昇は企業や投資家の調達コストを押し上げ、株式・暗号資産などリスク資産の上値を重くしやすい。
・BTC/JPY日足は上昇トレンドを維持する一方、MACDダイバージェンスが出現しており、短期的な反落には注意したい。
・BTC/JPYの4時間足ではディセンディングトライアングル形成が意識され、1270~1280万円付近も下値候補として注目。
・ETH/JPYもダイバージェンスが確認され、高値追いよりも上昇トレンドラインやSMA30付近までの押し目を待つ戦略が有効と考える。
・8~9月の上昇が続いた反動も踏まえ、10月は債券市場の動向を確認しながらリスク管理を一段と強めたい。

