オラクルがニューメキシコ州の大型AIデータセンター「プロジェクト・ジュピター」の開発会社に、不可抗力条項の適用を通知しました。要するに自分たちにはどうにもならない「不可抗力」の状況にあるので契約不履行となった場合でも違約金を払わなくてもいいよね?とデータセンター開発業者に申し入れたということです。

このデータセンターは2028年稼働開始予定です。しかし、膨大な電力を必要とするデータセンター建設に欠かせない電力インフラである天然ガスパイプラインの建設許可が下りないのです。地元住民や環境団体らが環境負荷などを理由に反対運動を強めているためですが、2028年までに稼働できなければオラクルは違約金を支払うリスク、コスト増負担を抱えるリスクがあるとして、この報道を受けて9月24日オラクル株は窓を開けて下落しています。

この反対運動はバージニア州北部、ニューヨーク州やジョージア州でも起こっていて全米に広がっています。AIに関してはハイパースケーラーらが巨額の設備投資を続けていますが計画が実現できなければ、この資金はどのようにして回収できるでしょうか?

巨額の設備投資が回収できるのはいつなのか、という点はAI半導体相場の懸念事項としてくすぶり続けていますが、オラクルの不可抗力適用通知がマーケットの不安を増大させてしまうと潮目が変わる可能性もあるかもしれません。

息の長いテーマではあるのですが、やや行き過ぎた相場のガス抜きが必要な局面だとみる向きもありますね。ハイパースケーラーによる大量の社債発行に投資資金が吸収され、米国債価格の下落=米金利上昇の一因になっているとも指摘されています。

トランプ大統領はAI開発推進派ですが、民主党は環境保護や脱炭素を重視する議員が多く、中間選挙で民主党が上下院を制覇すると、この分野への規制が強まるとの見方も出てきましたね。そうなればAI設備投資向けの社債発行も減るでしょうから、米国債需給が安定し金利が下がるかも、なんて話も。AI半導体セクター株の先行き、米金利動向は中間選挙の結果が重要なイベントとなってきそうです。