原油価格が100ドルを超え、アジア向けの原油輸送ルートが一段と不安定に
先週(9月7日週)は原油価格が100ドルを超えました。ホルムズ海峡の航行が大きく制約される中、紅海のバブ・エル・マンデブ海峡でもサウジ船舶への圧力が強まり、アジア向けの原油輸送ルートが一段と不安定化しています。
特に重要なのが、ホルムズ海峡を迂回するサウジアラビアの東西パイプラインとヤンブー港です。東西パイプラインの輸送能力は日量約700万バレル、うち輸出向けは最大約500万バレル規模です。5月のヤンブーからの原油輸出は日量約374万バレルまで増加しました。
同月のアジアの海上原油輸入量は日量約1,947万バレルで、単純比較では約19%に相当します。全量がアジア向けではないものの、春以降はアジア向け輸入の15~20%に相当する規模の輸送を担う重要な迂回ルートとなっていました。
その東西パイプラインが停止し、直近までヤンブー方面へ流れていた日量約400万バレルの輸送が滞るリスクが高まっています。世界全体では最大約4%の供給に影響する可能性がありますが、ホルムズ海峡が制約されているアジアにとって影響はそれ以上です。輸送・調達コストの上昇からインフレ圧力が強まり、長期化すればスタグフレーション懸念も高まりそうです。
BTC(ビットコイン)は下落トレンド再開の可能性
BTC/JPY日足チャート: SMA200(橙)が目先のサポートライン
BTC/JPY日足チャートを見ていきます(図表1)。
米ドル/円の下落も重なり、円建てBTCは三尊天井のネックラインを割り込みました。いったんは上昇トレンドへの回帰を意識させる形状でしたが、今回の割り込みによって、再び下落トレンドへの転換を警戒したい局面です。
MACDでは、これまで確認されていたダイバージェンスが、結果的に下落シグナルとして機能しつつあります。シグナルが出るまでに時間を要したため、再上昇も想定していましたが、ここからはしばらく戻り売りトレードを意識したほうがよいでしょう。
SMA200(橙)が目先のサポートラインになります。まずはこの水準を試す展開を想定し、1,100万円台前半までの調整を意識した戻り売りトレードに転換したいと思います。
BTC/JPY4時間足チャート:ウェッジは下抜けなるか
続いて、BTC/JPYの4時間足チャートを見ていきます。
下降ウェッジを形成中で、4時間足ではSMA200(橙)をまもなく割り込みそうな水準まで下落しています。
ここを明確に割り込めば、4時間足ベースでは下落トレンド入りを示唆、一定程度の反落が期待できます。現状価格から小さく打診売りを入れつつ、1,200万円付近を上値の目安とした戻り売りを考えたいところです。
一方、ドル建てBTCではまだネックラインを割り込んでおらず、現状は横ばいで推移しやすい状況です。ただし、米ドル/円が反落すれば、円建てBTCは為替の影響も受けながら、徐々に下値を更新しやすい地合いが続くと予想します。
ETH(イーサリアム)は37.5万円前後のサポート割り込みで反落へ
最後に、ETH/JPYの4時間足チャートを見ていきます。
現在は37.5万~41万円程度のレンジで推移しています。金曜日には大きく急騰しましたが、レンジ上限にあるレジスタンスラインに抑えられ、その後は反落しました。
ローソク足の形状を見る限り、短期的にはかなり悪化したと考えられます。今回の急騰局面で高値を掴んだデリバティブの買いポジションは、週末に十分な戻りがなかったことから、多くが含み損を抱えた状態にあると考えられます。
37.5万円前後のサポートラインを割り込むと、ストップ注文を巻き込みながら下げが加速する可能性があります。ロスカットが連鎖しやすい地合いが整いつつある点には注意したいところです。
そのため、37.5万円前後のサポートライン割り込むことを前提に、現状価格からの戻り売りを再開したいと思います。
今週(9月14日週)はFOMC(米連邦公開市場委員会)、BOE(英イングランド銀行)、日銀と、主要中央銀行の金融政策イベントが相次ぐ週です。中東情勢の悪化によって原油価格も高騰しているため、こうしたインフレ圧力の再燃を各中央銀行がどこまで金融政策に織り込むのかにも注目が集まりそうです。
9~10月相場は、こうした材料をきっかけにリスクオフへ発展しやすい局面だと考えています。ファンダメンタルズも考慮しながら、再び下落を意識したポジショニングで臨みたいと思います。
今週(9月14日週)の暗号資産(BTC・ETH)動向のポイント
・中東情勢の悪化を背景に原油価格が100ドルを超え、ホルムズ海峡に加えて紅海側の輸送ルートにも警戒が広がる。
・ホルムズ海峡の混乱後、5月の輸入量を基準にすると、ヤンブーはアジアの海上原油輸入量の15~20%に相当する規模を動かし得る重要な迂回ルート。東西パイプライン停止と紅海リスクの重なりは、アジアの原油調達コストとインフレ圧力を押し上げる要因に。
・BTC/JPY日足は三尊天井のネックラインを割り込み、MACDも弱気方向を示唆。SMA200を意識しながら、1,100万円台前半までの調整を警戒。
・BTC/JPY4時間足は下降ウェッジを形成中。SMA200を明確に割り込むかどうかが、下落トレンド再開を見極めるポイント。
・ETH/JPYは37.5万円前後のサポートラインが重要。今週(9月14日週)はFOMC、BOE、日銀も控えているため、9~10月はリスクオフを意識したポジショニングで臨む。

