米国市場にとって9月は「鬼門の月」
東京株式市場は実質9月相場に入りました。TOPIX(東証株価指数)の2025年までの各年9月の騰落率を直近20年平均や30年平均でみると、マイナス0.2%程度と大きく動いた形跡はありません。8月のマイナス1.0%前後の下落ほどではありませんが、弱含む傾向はあるといえるでしょう。ただ、バブル期を含めた40年間を振り返るとマイナス0.8%と年間で最もパフォーマンスが悪く、この季節的なアノマリーは警戒材料として念頭に置いておくべきです。
米国市場にとって9月は「鬼門の月」です。S&P500の長期のパフォーマンスは年間で最も悪い傾向があります。8月28日のジャクソンホール会議でのケビン・ウォーシュFRB(連邦準備制度理事会)議長の講演内容を受けて、米国では9月のFOMCでの米利上げ観測が高まっています。
8月前半は7月後半と逆方向に動いたケースが多い
9月は中東情勢の再悪化懸念に加え、米景気動向などに焦点が移ります。中旬以降に発表される物価指標に米長期金利が予想以上に上昇の反応を示す場合、ハイテク株主体のナスダックや半導体株指数(SOX指数)の上値を抑える要因となり、東京市場では日経平均の下押し要因となります。
8月のTOPIXは前半高、後半に調整する場面がありました。日経平均も概ねそのような動きだったといえます。ここ数年、8月前半は7月後半と逆方向に動いたケースが多く、2026年もそのパターンが当てはまりました。
リターンリバーサルが有効か
業種別の騰落率順位では、トップが「サービス」で「海運」「非鉄金属」「その他製品」「鉱業」と続きました。一方、ワースト1位は「保険」で「ガラス・土石製品」「倉庫・運輸関連」「不動産」「小売」と続きました。概ね、非AI・半導体関連業種が上位と下位に入り、AI・半導体関連は良くも悪くも目立った動きはなかったといえます。AI・半導体関連のモメンタムの減速が指数の方向感をなくし、全体の売買代金が少し減少した印象でしたが、9月に入って状況が一変するとは想定しづらいです。
戦略としては、指数はもみ合い基調が継続し、8月に上位に入った業種が下落、下位に入った業種が上昇するリターンリバーサルが有効でしょう。日本銀行が9月にも追加利上げに踏み切るとの予想が大勢を占める中、特に「保険」の上昇に期待し、逆に「サービス」「海運」などは、過熱感から軟調に推移すると予想されています。

