モトリーフール米国本社 – 2026年8月2日 投稿記事より

人工知能(AI)はマイクロソフト[MSFT]、テキサス・インストゥルメンツ[TXN]、ブロードコム[AVGO]に大きな成長をもたらしています。3社はそれぞれソフトウェア、半導体、ネットワーキング分野のトップ企業です。また、いずれも配当を支払い、増配してきた優れた実績があります。このように、成長性と株主還元を兼ね備えた企業は、長期で保有する投資家に対して、株価の値上がり益と着実に増えるインカムゲインをもたらす可能性があります。

マイクロソフト[MSFT]:CopilotとAzureがけん引

マイクロソフトは20年超にわたり継続して増配を実施しています。四半期配当は1株当たり0.91ドルで、本稿執筆時点の予想配当利回りは約0.9%と控え目ですが、利益およびクラウド事業とソフトウェア・サブスクリプション事業がもたらす安定した継続収益にしっかりと支えられています。

事業は引き続き力強い成長を続けています。2026年6月に終了した今年度第4四半期決算では売上高が前年同期比18%増、調整後利益は同23%増加しました。好業績を牽引するのはAIアシスタントCopilotに対する需要です。有料の企業向け契約件数は3000万を超え、第3四半期の2000万件強から増加しました。

Azureは引き続き、マイクロソフトにとって最も重要な成長の原動力の一つになっています。企業による継続的なIT支出の恩恵を受けており、第4四半期にはAzureを含むクラウド関連の売上高は前年同期比43%増加しました。

AIによって新たなソフトウェアを立ち上げる際の参入障壁が低下し、競争は激しくなるでしょう。しかし、マイクロソフトには広く利用されている業務効率化ソフトウェア群、企業との強固な関係、そしてクラウド事業の成長を支える巨大なデータセンターがあり、同社の地位は盤石であり続けると思われます。

本稿執筆時点のマイクロソフトの2027年度予想株価収益率(PER)は20倍であり、株価は妥当な水準にあると思われます。足元の株価調整局面は、長期投資家にとって魅力的な買い場となる可能性があります。

テキサス・インストゥルメンツ[TXN]:データセンター需要が追い風

テキサス・インストゥルメンツは、22年連続で増配しています。同社は、配当と自社株買いを通じてフリーキャッシュフローの全額を株主に還元する方針を掲げています。その背景には、アナログ半導体とエンベッド(組み込み型)プロセッシングという高利益率を誇る強固な事業があります。同社の半導体は、自動車、産業機器、家庭用電子機器、データセンターなど、幅広い最終市場で使われています。

四半期配当は1株当たり1.42ドルで、本稿執筆時点の予想配当利回りはおよそ2%です。過去のフリーキャッシュフローに占める配当の割合は約78%と高めですが、需要の改善と長期的な成長持続により、今後も増配を継続できる可能性があります。

第2四半期売上高は、前年同期比23%増加しました。牽引したのは産業機器、自動車、データセンターといったセクターです。特に、データセンター向け売上高は前年同期比2倍に拡大しました。これは、顧客が電源管理のような重要な機能で、同社の半導体を使用しているためです。

半導体の販売は景気循環の影響を受けるため、最良の投資機会は通常、サイクルが転換する局面で訪れます。最近の低迷期を経て自動車と産業機器市場が回復し始めており、テキサス・インストゥルメンツのような規模を持つ企業にとっては、心強い追い風となっています。

同社の競争優位性は、製造能力と製品の長寿命に由来します。同社は8万点以上の製品を販売しており、その多くは顧客製品に一度採用されると何年にもわたって使われ続けます。こうした製品の長いライフサイクルが、顧客との強固な関係と安定したキャッシュフロー創出を支えています。

今後は、データセンター向け需要が大きな成長要因になるはずです。アナリストは同社の年率23%の利益成長を予想しています。これは株価バリュエーションを支え、平均を上回る配当利回りに加え、魅力的なトータルリターンをもたらす可能性があります。

ブロードコム[AVGO]:AI半導体とソフトウェアが支える成長

ブロードコムは過去10年にわたり、年率約31%のペースで増配してきました。四半期配当は1株当たり0.65ドル、本稿執筆時点の予想配当利回りは0.69%です。配当実績はフリーキャッシュフローの約36%、利益の41%にとどまっており、事業の成長が続く限り、さらなる増配余地が残っています。

直近四半期には売上高が前年同期比48%増加し、特にAI向け半導体の売上高は143%と急増しました。同社のAIアクセラレーター(XPU)はアルファベット[GOOGL]傘下のグーグルをはじめ、AI開発企業のアンソロピックやオープンAI、メタ・プラットフォームズ[META]など、主要プレーヤーのAIワークロードに広く採用されています。

また、同社は超高速データ接続を可能にするイーサネットスイッチや光学機器など、データセンター向けネットワーキング機器の主要サプライヤーでもあります。これらの事業は現在、AI関連売上高の40%を占めています。

さらに、ブロードコムは利益率が高いインフラ向けソフトウェア事業でも恩恵を受けており、これがフリーキャッシュフローの拡大と増配を支えています。経営陣は、第3四半期のソフトウェア収益が前年同期比31%増加すると見込んでいます。

最大のリスクはデータセンター投資の減速によって成長が鈍化し、株価に下押し圧力がかかる可能性があることです。それでも、ブロードコムは主要なAI関連顧客から大口のコミットメントを確保しており、需要には持続性があると考えられます。同社は長年にわたり力強い株主リターンをもたらしており、今後も長期にわたりその実績を維持することが期待されています。

免責事項と開示事項 記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者John Ballardは記載されたどの銘柄の株式も保有していません。モトリーフール米国本社は、アルファベット、ブロードコム、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、テキサス・インストゥルメンツの株式を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、情報開示方針を定めています。