モトリーフール米国本社 – 2026年7月21日 投稿記事より

かつて、著名投資家のウォーレン・バフェット氏は「企業を評価する上で最も重要な判断材料は、価格決定力(プライシング・パワー)だ。競合他社に顧客を奪われることなく値上げを行える力があるなら、その企業は非常に優れた企業だ」と述べました。

バフェット氏にとって、価格決定力は強固な競争優位性、いわゆるモート(堀)の証です。値上げがあっても顧客が離れないということは、ブランドに対する強い信頼や愛着があり、恐らくは消費者にとって無くてはならない必需品となっていることを示しています。こうした価格決定力を有し、長期投資に適した銘柄として、コカ・コーラ[KO]、アップル[AAPL]、ネットフリックス[NFLX]の3社が挙げられます。

配当が魅力的なコカ・コーラ[KO]

バフェット氏は大のコカ・コーラ好きで、日頃から愛飲しており、かつて、「1日の摂取カロリーの4分の1をコカ・コーラ製品から摂っている」と明かしたこともあります。同氏をはじめ多くのコカ・コーラ愛好者は、同社製品の値上げを歓迎しないかもしれませんが、仮に価格が引き上げられたとしても、渋々受け入れて購入を続ける可能性が高いでしょう。

実際、コカ・コーラは近年のインフレの中で値上げを余儀なくされましたが、それが同社のビジネスに大きな悪影響を及ぼすことはありませんでした。同社の売上高と利益は増加し続けており、利益率も非常に高い水準を維持しています。直近4四半期で売上高492億ドルに対して137億ドルの利益を計上しており、これは売上高1ドル当たり約28セントが最終利益として残ったことを意味します。

コカ・コーラの堅固な事業が生み出す成長は緩やかではあるものの、事業への再投資や増配を可能にするのに十分であり、実際に同社は数十年にわたって増配を続けています。また、配当利回りは2.6%と平均よりも高く、配当収入を重視する投資家が数十年にわたって安心してポートフォリオに組み入れておける比較的安全な投資先と言えるでしょう。

好業績を維持し、事業の拡張を継続するアップル[AAPL]

テクノロジー企業最大手のアップルも、値上げを行いながらも好業績を維持できている企業の一つです。それは、同社の主力製品であるiPhoneが単なるスマートフォンではなく、一種のステータスシンボルとして認識されており、多くの消費者が多少価格が上がっても購入を続けるからです。

そして、消費者はひとたびアップルの巨大なエコシステムに組み込まれると、たとえ別のものに乗り換えたいと思っても、それに合わせてデータやアプリ、各種設定など自身のデジタル環境全体を変更しなければならず、大きな手間と時間がかかります。従って、多くのアップルユーザーにとって他社製品へ乗り換えは現実的な選択肢になりにくいのです。乗り換えは不可能ではないかもしれませんが、簡単ではないことは確かです。

バフェット氏はアップルのファンであり、かつて同社を「恐らく私が知る限り世界で最も優れた企業」と評しました。近年iPhoneに大きな革新が見られず、改良も比較的小幅なものにとどまっていますが、それでも消費者は値上げされても同社製品の購入・買い替えを続けています。

一方で、既存ユーザーが毎年新たなスマートフォンやタブレットを購入しなくとも引き続きそれらのユーザーから各種サービスを通じて利益を得られるようにするため、アップルはサービス事業を拡張してきました。

アップルは必ずしも人工知能(AI)の分野でリーダーとは言えず、同分野でやや出遅れていると批判されていますが、それが同社株の評価を大きく損なうことはありませんでした。アップルは依然として世界で最も価値ある企業の一つであり、時価総額は約4.8兆ドルに上ります。

高い利益率を誇るネットフリックス[NFLX]

今回の3社の中でバフェット氏が投資していない唯一の銘柄がネットフリックスです。圧倒的な市場ポジションを誇るネットフリックスは、もしバフェット氏がストリーミング関連株への投資に前向きであれば、投資対象となっていたかもしれません。

ネットフリックスもコカ・コーラやアップルと同じ特徴を備えています。高い利益率を誇り、業界のリーダーであり、価格を引き上げても需要に大きな影響を及ぼさない高い価格決定力を持っています。

ここ数年にわたるネットフリックスの値上げに消費者は不満を感じているかもしれませんが、同社は依然として値段に比べてかなり魅力的なサービスを提供しており、月額約20ドルのプランで幅広い映画やテレビ番組を視聴できます。また、広告付きの低価格プランも用意しており、出費を抑えたい消費者にも利用しやすいサービスとなっています。

同社はここ数年間で力強い成長を遂げており、値上げは事業に打撃を与えるどころか、むしろ業績を押し上げる要因となっています。2025年の利益は110億ドルと、2年前の54億ドルから2倍強に拡大しました。

免責事項と開示事項  記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者David Jagielski(CPA)は、記載されているどの銘柄の株式も保有していません。モトリーフール米国本社は、アップルとネットフリックスの株式を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は情報開示ポリシーを定めています。