ゴールドマン・サックス[GS]、AIブームの資金需要で利益急増

2026年4-6月期決算:純利益84%増

ゴールドマン・サックス[GS]が発表した2026年4-6月期決算は売上高に相当する純営業収益が前年比39%増の203億3800万ドル、純利益が84%増の63億9900万ドルでした。EPS(1株当たり利益)は20.98ドルで、LSEG(ロンドン証券取引所)がまとめた市場予想の14.476ドルを44.9%上回っています。

好業績の原動力となったのは、世界的な人工知能(AI)ブームに伴う資金調達需要の急増です。デービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は、データセンターや電力インフラへの膨大な投資が必要とされるAI設備投資のスーパーサイクル(構造的で長期的な好況期)の真っ只中にいると指摘し、収益の先行きに楽観的な見方を示しています。

実際にAIのスーパーサイクルによる恩恵としては、スペースX[SPCX]の新規株式公開(IPO)やアルファベット[GOOGL]による900億ドル規模の株式発行で主幹事を務めた点が挙げられます。AIサイクル関連の大型案件で大きな存在感を示したと言えそうです。

事業別業績:株式関連の収益が急拡大

事業別では、グローバル・バンキング&マーケッツ部門の純営業収益が53%増の155億2000万ドルと全体をけん引しました。特に株式関連の収益は72%増の74億1600万ドルと急拡大し、投資銀行手数料は株式・債券引き受けの活発化で55%増の33億9500万ドルに伸びています。

アセット&ウエルス・マネジメント部門は純営業収益が20%増の45億9700万ドルで、こちらも好調でした。運用資産残高は23%増の4兆410億ドルに拡大しています。

四半期配当の引き上げ決定

好調な業績を受けてゴールドマンは株主還元を強化しており、当期中の自社株買いは40億ドル。取締役会は四半期配当を従来の4.50ドルから5.00ドルへ引き上げることも決めています。

【図表1】ゴールドマン・サックス[GS]:業績推移(単位:百万ドル)
出所:LSEGよりDZHフィナンシャルリサーチ作成
※期末は12月
【図表2】ゴールドマン・サックス[GS]:週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2026年7月17日時点)

ジェイピー・モルガン・チェース[JPM]、投資銀行・マーケット部門が躍進

2026年4-6月期決算:純利益42%増

世界有数の総合金融サービス会社、ジェイピー・モルガン・チェース[JPM]が発表した2026年4-6月期決算は売上高に相当する純営業収益が前年比28%増の573億4700万ドル、純利益が42%増の207億5200万ドルでした。調整後のEPS(1株当たり利益)は6.14ドルで、LSEGがまとめた市場予想の5.848ドルを5.0%上回っています。

事業別業績:活発な市場活動が背景

好業績をけん引したのは、活発な市場活動を背景とした投資銀行部門とマーケット部門の躍進です。投資銀行の手数料収入は前年同期比30%増の33億ドルと、2021年以来の最高水準に達しました。また、マーケット部門の収入も35%増の121億ドルと大幅に伸びており、特に株式市場収入は地域を問わず好調で、86%増の60億ドルという驚異的な成長を見せています。商業・投資銀行部門の純利益は46%増の96億7800万ドルと全体をけん引しました。

資産&ウエルスマネジメント部門も好調で、純営業収益が19%増の68億5100万ドル、純利益が33%増の19億5700万ドルに達しました。運用資産残高は18%増の5.1兆ドルです。新規投資家数が過去最高の4万4000人に達するなど、顧客基盤の拡大が続いています。

ジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は、今回の結果を「非常に力強い」と評価し、背景として人工知能(AI)主導の資本投資や財政支援などの追い風が米国経済の力強さを支えていると述べています。一方、地政学的緊張やインフレの長期化、多額の財政赤字といったリスクが「地殻変動のように水面下で動いている」とも指摘し、幅広いシナリオに備える姿勢を強調しました。

【図表3】ジェイピー・モルガン・チェース[JPM]:業績推移(単位:百万ドル)
出所:LSEGよりDZHフィナンシャルリサーチ作成
※期末は12月
【図表4】ジェイピー・モルガン・チェース[JPM]:週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2026年7月17日時点)

プライススマート[PSMT]、会員更新率が過去最高を更新

2026年3-5月期決算:純利益13%増

中南米やカリブ海地域で会員制の倉庫型小売店を展開するプライススマート[PSMT]が発表した2026年3-5月期決算は、売上高が前年同期比12%増の14億8200万ドル、純利益が13%増の4000万ドルでした。EPS(1株当たり利益)は1.28ドルとなり、市場予想の1.19ドルを7.6%上回っています。

好業績を支えたのは、強固な会員基盤です。2026年5月末時点の会員口座数は前年同期比9%増の214万口座に達しました。特に特筆すべきは会員のロイヤリティーで、12ヶ月間の会員更新率は過去最高の91%を記録しています。また、上位区分であるプラチナ会員の割合が会員全体の21%(前年同期は16%)に拡大し、会費収入は18%増えています。

地域別の動向では、主要市場である中米が11%増えたほか、コロンビアが通貨高や取引件数の増加を背景に35%増と飛躍的な伸びを見せました。事業モデルとしては、高効率なサプライチェーンと自社ブランド「メンバーズ・セレクション」を通じた高い付加価値の提供を強みとしています。

DXへの投資も加速

デジタルトランスフォーメーション(DX)への投資も加速しています。デジタルチャネル経由の売上高は26%増の9960万ドルに達し、ネット商品販売の7%を占めるまでに拡大しました。現在はRELEX社のサプライチェーン管理ソフトや東芝テックのPOSシステム「Elera」の導入を進めており、在庫管理の最適化とチェックアウト時間の短縮を通じた一段の効率化を目指しています。

今後の成長戦略としては、店舗網の拡大を掲げています。現在、ジャマイカやコスタリカに加え、新たに有望な市場と位置づけるチリへの進出を含む計6店舗の新規出店を計画しています。これらが完了する2027年には総店舗数が現在の57店舗から63店舗に拡大する見込みです。

【図表5】プライススマート[PSMT]:業績推移(単位:百万ドル)
出所:LSEGよりDZHフィナンシャルリサーチ作成
※期末は8月
【図表6】プライススマート[PSMT]:週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2026年7月17日時点)

リーバイ・ストラウス[LEVI]、「DTC(消費者直接取引)ファースト」戦略奏功で通期見通しを上方修正

2026年3-5月期決算:純利益30%増

ジーンズの世界的大手リーバイ・ストラウス[LEVI]が発表した2026年3-5月期決算は、売上高が前年同期比8%増の15億6200万ドル、純利益が30%増の8730万ドルとなりました。非GAAPベースの調整後EPS(1株当たり利益)は0.28ドルで、LSEGがまとめた市場予想の0.24357ドルを15.0%上回っています。好決算の主因は、同社が強力に推し進める「DTC(消費者直接取引)ファースト」の戦略です。

DTC比率は51%と収益構造の変化が鮮明に

Eコマースや直営店での販売を含むDTC部門の売上高は、米国で5%増、欧州とアジアでそれぞれ12%増を記録し、全体で11%増えました。総売上高に占めるDTC比率は51%と過半に達し、収益構造の変化が鮮明になっています。また、販売単価の引き上げと製品コストの低下が寄与し、粗利益率は前年同期の61.7%から62.7%へと上昇しました。

ミシェル・ガス最高経営責任者(CEO)は、ガソリン価格の上昇といった経済的圧力の中でも、中核となる消費者の需要が堅調であるとの見方を示しています。売上成長の約3分の2が販売数量の増加によるもので、単なる値上げに頼らない健全な需要が示されていると説明しています。ブランド別では、主力の「リーバイス」に加え、ヨガウェアの「ビヨンド・ヨガ」が16%増、高級ラインの「シグネチャー」も好調を維持しており、ライフスタイルブランドとしての多角化が成長を後押ししています。

四半期配当の引き上げ決定、2026年11月通期決算のガイダンスも上方修正

株主還元についても積極的で、四半期配当を前年同期比14%増の1株当たり0.16ドルに引き上げると発表しました。また、2025年12月-2026年2月期に開始した2億ドルの自社株買いプログラムも継続中です。

決算発表に合わせて、2026年11月通期決算のガイダンスも上方修正しました。売上高成長率は従来の5.5%-6.5%増から7.0%-7.5%増、調整後EPSは1.42ドル-1.48ドルから1.46ドル-1.52ドルへとそれぞれ引き上げています。同社は、DTCへの移行による収益性の向上と、強固なブランド力を背景とした市場シェアの拡大が、年度後半も継続すると自信を深めています。

【図表7】リーバイ・ストラウス[LEVI]:業績推移(単位:百万ドル)
出所:LSEGよりDZHフィナンシャルリサーチ作成
※期末は11月
【図表8】リーバイ・ストラウス[LEVI]:週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2026年7月17日時点)

シティグループ[C]、投資銀行部門の好調で純利益45%増

2026年4-6月期決算:純利益45%増

シティグループ[C]が発表した2026年4-6月期決算は売上高に相当する純営業収益が前年同期比14%増の247億6600万ドル、純利益が45%増の58億3100万ドルでした。EPS(1株当たり利益)は3.15ドルで、LSEGがまとめた市場予想の2.7404ドルを14.9%上回っています。

事業別業績

好業績の要因は株式市場事業と投資銀行業務の急成長です。株式市場事業の純営業収益は45%増の23億100万ドルに達し、投資銀行部門は株式引き受け収入が92%増の4億2600万ドル、債券引き受け収入が65%増の7億3200万ドルと大きく伸びています。

また、主力のサービス部門は純営業収益が18%増の63億8200万ドル、純利益が51%増の25億8400万ドルと2桁の増収増益。有形自己資本利益率(RoTCE)は10.1ポイント上昇の30.9%に達しています。グローバルな資金管理需要が旺盛で、ウエルス部門は純営業収益が13%増の31億7700万ドル、純利益が51%増の5億8300万ドルでした。

配当の12%引き上げへ

全体の経営指標ではRoTCEが13.0%に上昇し、シティグループが2027-2028年の目標として掲げていた11-13%のレンジの上限に到達しました。好調な業績を背景に株主還元も強化する方針で、新たに300億ドルの自社株買い計画を開始したほか、配当を12%引き上げる方針を明らかにしています。

【図表9】シティグループ[C]:業績推移(単位:百万ドル)
出所:LSEGよりDZHフィナンシャルリサーチ作成
※期末は12月
【図表10】シティグループ[C]:週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2026年7月17日時点)