気がつけば、2021年も12月です。最近はブラックフライデーとして11月末から大型セールを実施するお店を見かけることも増えてきましたが、国内では一般的な企業の冬のボーナスが12月ということもあり、年末年始にセールが行われることが多そうです。コロナ禍の影響もあり、冬のボーナスはやや控えめな数字ということですが、投資に回そうという方も多いのではないでしょうか。

また、12月は非課税投資制度であるNISAの締めの月です。NISAの非課税投資枠がまだ残っているという方もいらっしゃるのではないかと思います。

最近のボーナスやNISAを活かした投資と言えば、米国株や投資信託への投資の人気が高そうです。一方、日本株も特に配当利回りの高い銘柄について引き続き関心が高いようです。日本株の場合、円貨での配当でコストも小さいことから注目されやすいのでしょう。

また、株主優待などの追加の魅力もあり、日本の企業であればビジネスの内容が理解しやすく個別株投資がしやすいという利点もありそうです。

日本株の配当金、税金を引いた受取金額を見ると

まずは日本株の配当金に着目した投資を検討するため、現在の日本株の配当金事情を見ていきたいと思います。

NISA口座で投資をした場合、譲渡益・配当金それぞれへの税金が非課税になります。株価の値上がりに伴う譲渡益に比べると、配当金の確実性が高いことからNISAでの投資には配当利回りの高い銘柄を選ぶ方が少なくないようです。実際、現在の配当金に対する税率は20.315%(復興特別所得税を含む)です。配当金額と20.315%の税金がかかった場合の税引きの受取金額の関係は以下のようになります。

【図表1】現在の配当金の税率と発生税額
出所:マネックス証券

10,000円の配当金が税引き後ですと7,969円、37,000円でも29,484円になってしまいます。だいぶ減ったなあという感じがするのではないでしょうか。20.315%という税率はスーパーの値札の逆で、随分手取り額が減ったという印象を受けると思います。

逆に、NISA口座であれば、この税金がかからないのです。年間のNISAの非課税投資枠は120万円です。配当利回りが3%少々の銘柄であれば、配当金額が37,000円になります。課税口座であれば29,484円の配当金が、NISA口座で買うだけで7,516円増えるということになります。1年あたりの金額でこれなので、けっこう大きいですよね。

日本の企業の配当金額は増加傾向

アクティビストの働きかけなどもあり、日本の企業の配当金額も増加傾向が続いています。以下は12月6日時点での東証上場会社の予想ベースの配当利回りの分布です。

【図表2】東証上場会社(ETF・REITなどを含む)の予想配当利回りの分布
出所:マネックス証券

5%以上の配当利回りの銘柄でも90社、4%以上だと370社になります。全体の約10%の企業が4%を超える配当利回りを出しているということです。ほぼ半数の企業は2%以上ですので、なかなか魅力的な水準と言えるのではないでしょうか。具体的にどの企業の配当利回りが高いか、見てみましょう。

配当利回りの高い日本株の銘柄は?

【図表3】時価総額1兆円以上の東証上場会社の配当利回り上位
出所:マネックス証券

首位の日本郵船(9101)は海運市況が大きく上がり空前の利益水準を叩き出したからで、ENEOS(5020)、住友金属鉱山(5713)、INPEX(1605)も強烈な資源高が追い風になっていると考えられます。しかし、このような一時的な好況においても企業で利益を溜め込まず、しっかり株主還元しているというだけでも、日本の企業の姿勢が大きく変わってきているように見えます。総合商社も同様に積極的な還元姿勢を見せています。

例えば総合商社で配当利回りが最上位である住友商事(8053)は、2022年3月期の配当金が会社予想の90円になった場合、この10年(2013年3月期-2022年3月期)の合計配当は実に620円になります。その10年の起点である2012年3月末の住友商事の株価は1,196円でした。当時から住友商事株を保有している方は年平均62円、つまり株価に対し5.2%の配当金を毎年得ているということです。しかも、住友商事の直近株価は1,592円ですので、その配当収入に加え、株価の値上がり収入も得ているということです。

なお、住友商事の1株純資産は2011年3月末で1,257円でしたが、2021年3月末には2,023円に増えており、住友商事は株価の5%にあたる配当金の支払いを続け、一方で企業の資産を増やしてきているのです。

一方、JT(2914)、武田薬品(4502)、日本郵政(6178)など株価的に厳しい企業が少なくないことも事実です。では、高配当銘柄への投資をどのように考えていくのが良いでしょうか。次回は株主目線で考えていきたいと思います。