モトリーフール米国本社、2021年8月26日投稿記事より

石油メジャーのエクソンモービル(NYSE:XOM)は、値動きが低調でも安定配当によって多くのファンを維持しています。

過去10年の合計リターンは11.6%と、S&P500指数の372%とは比べものにならないほど低いものの、2000~2015年で見ると市場全般を大きくアウトパフォームしていました。

とはいえ、投資家にとって大事なのは、この先の10年間です。以下では同社の今後について考察します。

石油需要はなくならない

国際エネルギー機関(IEA)の試算によると、世界の原油需要は2021年見通しの1日当たり9,650万バレルから2026年には同1億410万バレルに増加し、2030年以降は横ばいで推移する見込みです。

過去10年の石油需要増加分のうち、陸上運輸は6割を占めていましたが、先進国を中心にガソリン車から電気自動車(EV)への移行が始まりつつあります。

一方で、石油化学業界は特にプラスチック材料として石油を必要としており、今後10年では同業界が石油需要増加分の6割を占めることになるとIEAは予想しています。

石油化学セクターの原油需要は世界の人口増加と経済成長に伴い、特に新興国で拡大する見込みです。

こうした予想を少し割り引いて考慮したとしても、石油需要が減少し始めるのは何年も先になると考えられそうです。

そうだとすれば、石油メジャーはかなり先まで利益を生み出し続ける見込みで、特にアジアでのプレゼンスが大きいエクソンモービルは優位な立場にあると言えるでしょう。

今後直面する課題

しかし、同社の純利益と利払い・税引き・償却前利益(EBITDA)は、過去10年にわたり減少傾向にあります。

それ以上に懸念されるのが、負債水準が上昇する一方で、投下資本利益率(ROI)が低下していることです。

石油や天然ガスなどのコモディティーの価格は、政治やマクロ経済の動向に左右されがちで、その価格変動は同社の利益に大きく影響します。

第2四半期の利益はその好例で、1年前の11億ドルの赤字とは打って変わって47億ドルの黒字となりました。

負債は2020年末と比べると70億ドル減少しています。

同社はこの18カ月で構造的な経費を40億ドル削減しており、2023年までの削減額は60ドルに達する見込みです。

また、設備投資額を2019年の240億ドル超から2020年に170ドル億まで減らしており、2021年についても160億~190億ドルというガイダンスの下限付近に収まると同社は予想しています。

今後もアンダーパフォームか

しかし、シェールオイルがブームだった時の利益成長水準を取り戻すことは難しいかもしれません。

石油需要の伸びは減速する見込みで、コモディティー価格の上昇と安定需要によって負債の削減と配当支払いを続けることができたとしても、増益の余地は限られそうです。

さらに、予想される状況によって原油価格には下押し圧力がかかる可能性があり、石油輸出国機構(OPEC)の影響によっても原油価格は不安定な動きとなるでしょう。

上記を考えると、同社株は今後10年間でも市場をアンダーパフォームしそうです。

投資家はもっと配当利回りが高く、成長性もある銘柄を他に探した方がいいかもしれません。

 

転載元:モトリーフール

 

免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Rekha Khandelwalは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール米国本社は、記事で言及されている株式を保有していません。