モトリーフール米国本社、2021年6月24日投稿記事より

過去数カ月の間、インフレ率の上昇や、割安な「経済再開」関連銘柄の台頭を背景に、過去数年にわたり株式市場を牽引してきたハイテク銘柄の一部は打撃を受けています。

しかし、デジタル化の波は経済再開とともに消滅するわけではなく、ハイテク銘柄のパフォーマンスは相対的な強さを維持するでしょう。

ウォール街のアナリストは現在、アルテリックス(NYSE:AYX)、ウーバー・テクノロジーズ(NYSE:UBER)、マイクロン・テクノロジー(NASDAQ:MU)に対して、平均を上回る35%~54%の株価上昇を予想しています。

アルテリックス:35%の上値余地

データ分析ソフトウェア企業のアルテリックスの株価は現在、2020年7月の史上最高値を50%超下回る水準で、株価売上高倍率(PSR)は11倍と、SaaS(Software-as-a-Service、ソフトウェアの必要な機能を必要な分だけサービスとして利用出来る提供モデル)セクターの競合の大半と比べて割安です。

同社が使用する売上高の計上方法(契約額の35~40%を一括で計上し、残りを契約期間で計上)は必ずしも実態を適切に反映しておらず、これにより特にパンデミック初期に売上高が押し下げられたようにみえた側面があります。

しかし、この影響を受けない顧客数の伸びとARR(年間経常収益)では過去1年間により力強い成長を示しました。

【図表】アルテリックスの過去1年間の成長率
出所:アルテリックス
※数値は全て前年同期比

もっとも成長率の減速もみられるものの、企業が成長する過程である程度避けられないことです。

さらに2020年末にCEO(最高経営責任者)に就任したマーク・アンダーソン氏は、大きな売上が見込めるグローバルな大企業に向けた営業販売により注力しており、これが顧客数の伸び鈍化の一因かもしれません。

同氏は「時価総額上位のグローバル企業2,000社のうちアルテリックスの顧客はわずか39%に過ぎないが、これらの大企業からの売上を伸ばす機会を模索している」と述べています。

アルテリックス株をカバーしている14人のアナリストの目標株価の平均は117.71ドルで、現在の水準を35%上回ります。

ウーバー・テクノロジーズ:40%の上値余地

経済再開が近づくなか、アナリストは配車サービスの世界的大手でウーバー・テクノロジーズの株価上昇を予想しています。

中核の配車サービス事業はパンデミック中に大きな打撃を受けましたが、フードデリバリー事業は人々がステイホームを強いられる中で売上が急増し、全社的な売上水準の維持に寄与しました。

フードデリバリー事業では、2020年12月の同業ポストメイツ買収の効果もあり、2021年第1四半期(1-3月)には売上が前年同期から230%増加し、配車サービスを含むモビリティ売上の減少(前年同期比41%減)を相殺しました。

また、フードデリバリー事業の調整後EBITDA(調整後利払い・税引き・償却前利益)はマイナス2億ドルと、前年同期のマイナス3億1,300万ドルから縮小しました。

同社は年末までにデリバリー事業のEBITDAが損益分岐点に達すると予想しています。

また、貨物運送事業も引き続き順調に伸びており、第1四半期の売上は51%増、EBITDAの損失は55%改善しました。

ウーバーは事業の合理化を進めており、自動運転車や空飛ぶ車の部門をスタートアップへ売却しました。

経営陣は事業の合理化が短期的に調整後EBITDAの黒字化につながるとみています。

同社にとって理想的なシナリオは、新たな生活習慣とリモートワーク文化からフードデリバリーの売上が維持され、配車サービスが力強く回復し、貨物運送事業が拡大することです。

アナリストの見通しは明るく、38人のアナリストの平均の目標株価は68.64ドルと、現在の株価水準を40%上回ります。

マイクロン・テクノロジーズ:53.6%の上値余地

半導体メモリのメーカーであるマイクロン・テクノロジーズも大きな株価上昇が予想されています。

半導体の供給が不足する中でメモリ価格は上昇しているにもかかわらず、同社の株価は史上最高値から21%下落しています(執筆時点)。

マイクロンは高成長なソフトウェア銘柄の多くと違ってより景気循環的な銘柄で、2021年と2022年を通じて利益が上昇するとみられます。

実際、同社株の来年の予想利益に基づく株価収益率(PER)はわずか7.5倍です(執筆時点)。

また、同社は自社株買いを通じてフリーキャッシュフロー(FCF)の少なくとも50%を株主に還元すると約束していますが、低価格で株を買い戻すことが可能でしょう。

メモリのサイクルは2~3年継続するうえ、マイクロンは直近のメモリ低迷時にも黒字を維持したので、現在の上昇サイクルで史上最高値を更新する可能性があります。

さらに、5G(次世代移動通信規格)やAI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)などメモリに大量のデータを読み書きする必要のあるデジタル化がパンデミック中に加速し、これが短期間で減速するとは思えません。

同銘柄をカバーするアナリスト30人の平均的な目標株価は118.62ドルと、現在の株価を53%上回る水準です。

PERは1桁台と割安で、マイクロンはバリュー投資家にとっても魅力的なハイテク銘柄にみえます。


転載元:モトリーフール

 

免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Billy Dubersteinは、アルテリックス株、マイクロン・テクノロジー株を保有しています。Billy Dubersteinは、以下のオプションを保有しています(マイクロン・テクノロジー株の2022年1月の30ドルのショート・プット、マイクロン・テクノロジー株の2021年1月の18ドルのショート・プット、マイクロン・テクノロジー株の2021年1月の25ドルのショート・プット、マイクロン・テクノロジー株の2022年1月の35ドルのショート・プット、マイクロン・テクノロジー株の2020年9月の50ドルのショート・コール、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ株の2020年10月の28ドルのショート・プット)。Billy Dubersteinの顧客は、記事で言及されている株式を保有しているかもしれません。モトリーフール米国本社は、アルテリックス株、パロアルトネットワークス株を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、ウーバー・テクノロジーズ株を推奨しています。