モトリーフール米国本社、2021年6月7日投稿記事より

eコマースの2銘柄、エッツィ(NASDAQ:ETSY)とメルカドリブレ(NASDAQ:MELI)の過去5年間の株価上昇率は、アマゾン・ドット・コム(NASDAQ:AMZN)の300%超に対しエッツィが1,700%超、メルカドリブレも900%近くになります。

2020年のパンデミック(世界的流行)によりオンライン注文が加速したことで、両社は急成長を遂げました。

しかし今年に入り投資家がグロース株からバリュー株に乗り換えたことや、経済再開に焦点が移ったことで、両社の株価は下落しています。

これが押し目買いの好機なのか、両社を比較検討します。

今年エッツィの成長は鈍化する見込み

エッツィの2020年売上高は前年比111%増の17億3,000万ドル(2019年は同36%増)、調整後利払い・税引き・償却前利益(EBITDA)は同195%増の5億4,900万ドル(2019年は同34%増)に急増しました。

エッツィの成長が加速したのは、パンデミック中にオンラインショッピングの利用者が増加したこと、プラットフォームに参加する店舗が増えたこと、2019年8月に買収したオンラインマーケットプレイス「リバーブ」を統合したことなどが挙げられます。

またパンデミック中に手作りマスクの販売が好調だったことも追い風となりました。

新たに始めたオフライン広告、動画の統合、顧客に合わせた商品紹介、および後払いオプションが顧客のエンゲージメントレート上昇につながりました。

また、バイヤー(売り手)とセラー(買い手)が分散されていることから、大手小売企業が抱えるサプライチェーンや物流の停滞を回避することができました。

エッツィの2021年第1四半期売上高は、前年同期比142%増の5億5,100万ドル、調整後EBITDAは同243%増の1億8,400万ドルに拡大しました。

アクティブバイヤーは前年同期比90%増の9,070万人、アクティブセラーは同67%増の470万人に増加し、流通取引総額(GMS)は前年同期を132%上回る31億4,000万ドルでした。

しかし2021年第2四半期について、同社は増収率が15~25%にとどまり、調整後EBITDAは4~14%の減少を予想しています。

これはパンデミックの影響で比較する前年が高い数値になっていること、フェイスマスクの販売減少、リバーブ買収の反動によるものです。

アナリストコンセンサス予想によれば、今年通期売上高は前期比32%増、調整後EBITDAは同15%増の見通しです。

しかし6月初めにエッツィは、中古ファッション衣料品のマーケットプレイス「デポップ」を16億ドルで買収することを発表しました。

同社は第3四半期に買収が完了し、売上げは押し上げられるものの調整後EBITDAは希薄化するとみており、投資家は近いうちに若干の見通しの修正があると予想しています。

メルカドリブレはパンデミック後の緩やかな減速に直面する

メルカドリブレの3大市場であるブラジル、アルゼンチン、メキシコではインフレが根強いため、ドルベースでは売上の成長率が低くなります。

それでも2020年売上高は前年比73%増の39億7,000万ドル、最終赤字は前年の1億7,200万ドルから70万7,000ドルに縮小しました。

2020年後半の感染拡大で、消費者のオンラインショッピングの利用が加速し、さらに同社のデジタル決済プラットフォーム「メルカド・パゴ」のユーザーが増加しました。

2021年第1四半期も感染拡大が続き、同社の売上高は前年同期比111%増の14億ドル(為替変動による影響を除けば同158%増)に増加しました。

ユニークアクティブユーザーは前年同期比62%増の6,990万人、為替の影響を除く流通取引総額(GMV)は前年同期比114%増、総決済額(TPV)は同192%増でした。

しかし配送ネットワークや決済エコシステムを拡張したため、同四半期の最終赤字は2,100万ドルから3,400万ドルに再び拡大しました。

バリュエーションの比較と結論

エッツィは手作り商品やユニークなギフト品においてニッチなリーダーとしての地位を維持する公算が大きく、メルカドリブレは中南米諸国での所得水準の向上やインターネットの普及に恩恵を受ける見込みであり、両社ともに十分な成長余地があります。

しかし、エッツィの執筆時点の予想株価収益率(PER)は45倍、メルカドリブレの予想PERは270倍近くにもなります。

今年の予想株価売上高倍率(PSR)も執筆時点でエッツィ9倍、メルカドリブレ11倍と割安ではありません。

急成長中とは言え株価が割高で赤字のメルカドリブレよりも、成長とバリューのバランスがとれたエッツィの方が、変化の大きい市場で良い結果を生むと考えます。

 

転載元:モトリーフール

 

免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。アマゾンの子会社ホールフーズ・マーケットのCEOであるJohn Mackeyは、モトリーフール米国本社の取締役会メンバーです。元記事の筆者Leo Sunは、アマゾン株、テラドック・ヘルス株を保有しています。モトリーフール米国本社は、アマゾン株、エッツィ株、メルカドリブレ株を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、アマゾン株のオプションを推奨しています(2022年1月の1940ドルのショート・コール、2022年1月の1920ドルのロング・コール)。