モトリーフール米国本社、2021年3月15日投稿記事より

YouTubeはPCやモバイル端末だけではなく、家庭のTVでも重要なエンターテインメントになりつつあります。

とは言え、TVの王者となるにはまだ長い道のりがあります。

ニールセンによる視聴調査によれば、新型コロナウイルス感染症によるロックダウンがあった2020年第2四半期でも、TV利用時間におけるストリーミング配信の視聴時間はわずか25%でした。

その中では、ネットフリックス(NASDAQ:NFLX)が最も視聴されたサービスとなりました。

一方で、YouTubeが予想以上に躍進していることも分かりました。

YouTube親会社のアルファベット(NASDAQ:GOOGL)にとっては朗報ですが、ネットフリックスや他のストリーミング関連銘柄への投資家にとっては、やや憂慮するべき事態です。

TV視聴時間

YouTubeのチーフ・プロダクト・オフィサーであるニール・モハン氏のブログ投稿によると、2020年12月には、米国で1億2,000万以上の人がYouTubeあるいはTVのスクリーンでYouTube TVを視聴していたとのことです。

それを裏付けるように、ストリーミング動画の分析を手掛けるConviva(コンビバ)による2020年第4四半期のレポートでは、同期間の人々の余暇時間の過ごし方が報告されています。

同レポートによると、同社がモニターする4つのコンテンツ・カテゴリー(エンターテインメント、メディア、ブランド、スポーツ)のすべてにおいて視聴時間が増加した唯一のソーシャル・プラットフォームが、YouTubeでした。スマートTVがこの大きな要因だと見られます。

同様に、調査会社のeマーケターによると、2020年第3四半期のスマートTVの視聴時間の34.3%はYouTubeで、前年の27%から増加しています(2018年は18.3%、2017年は12.2%)。

成長を遂げるAVOD市場でも強みを見せる

YouTube躍進のトレンドはしばらくの間続いていますが、ケーブルTV業界やストリーミング業界が無視できないほどの存在となったのは、最近のことです。

つまりYouTubeは、かなりの広告費を得るようになったということです。

2020年第4四半期、YouTubeの広告売上は前年同期比46%増の69億ドルとなりました。

これはグーグルの総広告収入のわずか15%です。

ちなみに、パンデミックの影響を受ける以前の米テレビメディアの年間広告費は、約700億ドルでした。

ここに、YouTubeの大きなチャンスがあります。

従来のTV広告予算とオンライン/広告付きビデオ広告予算の違いは曖昧になり、ストリーミングに有利な状況となっています。

メディアリサーチ会社のZenithは、広告付き動画配信(AVOD)に対する広告費は、2023年まで全世界で年率8.4%のペースで成長するとのことです。

これは、リサーチ会社のMoffettNathanson Research(モフェットネサンソン・リサーチ)やデジタルTVリサーチによる調査結果とも一致するものです。

一方で従来の米TVの広告収入は長年低迷しており、COVID-19のパンデミックが起こる前年の2019年からは下落しています。

YouTubeのモハン氏はブログ投稿でさらに興味深い発言をしています。

「調査会社のコムスコアによると、全米のスマートTVの82.5%で視聴されるストリーミング・サービスは、ネットフリックス、YouTube、アマゾン・プライム、Hulu、Disney+(ディズニー・プラス)の5つとなっています。その中で広告を販売しているのはわずか2つであり、AVODの視聴時間の41%はYouTubeによるものです」。

点と点を結ぶ

ネットフリックスは定額制で広告のないサービスを提供するのに対し、YouTubeは広告で成り立っている無料のプラットフォームです。

しかし、この違いは曖昧になりつつあることを忘れてはいけません。

数年前のデロイトの調査によると、平均的な視聴者は、コンテンツが無料であれば、1時間あたり約8分間の広告を見るとのことです。

調査会社のアンペア・アナリシスは昨年、米国人は約5つのストリーミング・サービスを利用しており、最大8種類程のサービスが視聴可能な状態となっているとしています。

しかしそのすべてに料金を払っているわけではありません。その中のいくつかは、広告付きで無料視聴ができるものです。

YouTubeが拡大し続けることで、ネットフリックスやアマゾン・プライム、ディズニーのストリーミング配信がなくなるというのは言い過ぎですが、プレイヤーが増えて競争が激化する市場において、サブスクリプション疲れが現実のものとなっています。

利用者が月々ビデオコンテンツにかける金額は、限られているのです。

 

転載元:モトリーフール

 

免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。アマゾンの子会社ホールフーズ・マーケットのCEOであるJohn Mackeyは、モトリーフール米国本社の取締役会メンバーです。アルファベットのエグゼクティブであるSuzanne Freyは、モトリーフール社の取締役会メンバーです。元記事の筆者James Brumleyは、アルファベット(A株)を保有しています。モトリーフール米国本社は、アルファベット(A株)、アルファベット(C株)、アマゾン株、ネットフリックス株、ウォルト・ディズニー株を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、アマゾン株のオプションを推奨しています(2022年1月の1940ドルのショート・コール、2022年1月の1920ドルのロング・コール)。