モトリーフール米国本社、2021年3月8日投稿記事より

金融サービス会社のスクエア(NYSE:SQ)は、3月4日に音楽ストリーミングサービスであるTidalの過半数の株式を2億9,700万ドルで取得したと発表しました。

Tidalは音楽界の大物であるJay-Zや他のアーティストによって設立された音楽ストリーミングサービスで、高品質で独占的なコンテンツを配信しています。

それほど人気ではありませんが、スクエア傘下で大きく成長する可能性があります。

しかし、金融サービスと音楽ストリーミングサービスがどのように融合するのでしょうか。

スクエアが得ているもの

一見、スクエアはTidalの買収で利益を得ているようには見えません。

Tidalは音楽ストリーミング市場の約5%を占めていますが、音楽ストリーミングサービス業界のリーダーであるスポティファイ、アップル、アマゾンの市場シェアを大きく下回っています。

Tidal自体はサービス開始以来毎年赤字であり、素晴らしいビジネスには見えません。

しかし、スクエアと合併してもJay-ZのようにTidal株の一部を保有するアーティストは引き続き存在します。

Jay-Zはスクエアの取締役会に参加する唯一のアーティストです。

この買収がうまくいくかもしれない理由                            

買収後、スクエアのCEOであるジャック・ドーシーは、取引の背景にある理由をツイートしました。

それにより、この買収の2つの理由が明らかになりました。

一つ目の理由は、急成長しているスクエアのCashAppとアーティストとのつながりを深めることです。

このアプリはヒップホップコミュニティ内で最大であることから、Tidalに参加しているアーティストがCashAppに参加することで、両方のサービスにより多くのユーザーを呼び込むことができます。

もう1つの重要な理由は、スクエアがアーティストのために新たなサービスを提供しようとしているということです。

スクエアは、レストランや中小企業向けに構築したサービスと同様に、アーティストのために何らかのサービスを提供できると考えています。

これにはeコマースプラットフォーム、ライブショーの資金決済、さらにはクリエイターへの資金提供が含まれます。

うまくいかない可能性もある

アーティストのためにスクエアが新サービスを開始するというアイデアは素晴らしいと思います。

しかし、そのためにスクエアがTidalを買収する必要はあるのでしょうか。

スクエアが音楽ストリーミングサービスを所有することが、アーティストのための新サービスの創造にそれほどプラスになるとは思えません。

さらに、Tidalは年間5,500万ドルの損失を生み出しています。

スクエアの企業規模に比べればそれほど大きいものではありませんが、ビジネスが好転しない限り、一貫して利益を圧迫することになります。

投資家が知っておくべきこと

もしスクエアが世界中のミュージシャンの金融ハブになることができれば、10年後にこれは素晴らしい買収だったと称賛されるでしょう。

しかし、この取引はスクエア株の時価総額のわずか0.3%しか占めていません。

したがって、買収が失敗したとしても、スクエアのビジネスに大きな損害を与えることはないでしょう。

そのため、スクエアの株主は、それほど心配する必要はありません。

大きく成功する可能性もあるため、投資家はこの動きを見守っておくべきです。

 

転載元:モトリーフール

記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。アマゾンの子会社ホールフーズ・マーケットのCEOであるJohn Mackeyは、モトリーフール米国本社の取締役会メンバーです。元記事の筆者Brett Schaferは、スポティファイ・テクノロジーズ株を保有しています。モトリーフール米国本社は、アマゾン株、アップル株、スポティファイ・テクノロジーズ株、スクエア株を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、アマゾン株のオプションを推奨しています(2022年1月の1940ドルのショート・コール、2022年1月の1920ドルのロング・コール)。