モトリーフール米国本社、2020年9月22日投稿記事より

トランプ大統領は、8月に動画投稿アプリTikTok(ティックトック)を米国で禁止する行政命令を出し、北京に本社を置く親会社の北京字節跳動科技(バイトダンス)が国家安全保障に脅威を与えたと主張しました。

これにより、バイトダンスはティックトックの米国事業をマイクロソフト(NASDAQ:MSFT)またはオラクル(NYSE:ORCL)に売却する必要があり、交渉を進めていました。

そして、まだ詳細は確定していませんが、オラクルおよびウォルマート(NYSE:WMT)と提携することに合意しました。

この取引に関してこれまでにわかっている5つの重要な点を紹介します。

新会社「ティックトック・グローバル」

オラクルとウォルマートは共同声明で、米国に本社を置く「ティックトック・グローバル」という新会社を設立することを発表しました。

取締役会は5人中4人がアメリカ人になる予定です。

オラクルとウォルマートは、ティックトック・グローバルの株式をそれぞれ12.5%と7.5%ずつ保有し、ティックトックの米国ユーザーのデータはオラクルのクラウドサーバーに保存されます。

両社はまた、ティックトック・グローバルが12か月以内にIPOで上場することを発表しました。

独立企業として、ティックトック・グローバルは最大600億ドルの価値があるとされています。

オラクルとウォルマートは、バイトダンスはティックトック・グローバルの株式を保有しないと主張しています。

しかし、バイトダンスは中国語の別の発表で、IPOまで株式の80%を保有すると主張しており、オラクル、ウォルマート、および他の米投資家は、株式を買い戻すために多額のIPO後のプレミアムを支払う必要があるかもしれません。

1億人の米国ユーザー

ティックトックの米国の月間アクティブユーザー(MAU)の総数は、2018年初期の1,100万人から、2020年8月には1億人を超えました。

これには、ティックトックの中国版「Douyin(抖音)」を使用する中国国内のユーザーも含まれています。

ティックトックとDouyinはほぼ同じサービスですが、前者はデータを海外のサーバーに保存し、後者は中国国内にデータを保存します。

バイトダンスは2つのアプリ間のギャップによって、中国政府が海外ユーザーの個人データにアクセスすることを妨げていると主張しています。

しかし、批評家は中国政府がバイトダンスに海外サーバーから個人データを引っ張ってくるように命令できるのではないかと主張しています。

雇用と税収の創出

オラクルとウォルマートは、ティックトック・グローバルの設立により、米国で25,000以上の新規雇用と50億ドルの税収を生み出すと主張しています。

トランプ大統領は、この収益によって、米国の歴史の継承を目的とする「1776委員会」に資金を提供しようとしています。

オラクルとウォルマートの発言も、この目標を暗示しており、子供たちにオンラインビデオカリキュラムでさまざまな教科を教えることが計画されています。

しかし、その後の声明で、バイトダンスはこの50億ドルという数字は、ティックトック・グローバルが今後数年で支払う法人所得税およびその他の税金の見積もりを参照しているだけだと述べています。

中国はこの取引を承認していない

中国の規制当局は、まだこの取引を承認していません。

中国は8月にAIサービス等を使用するテクノロジーの輸出を禁止する新しい規制を発表しました。

中国政府がバイトダンスの中核事業となる中国のビジネスを閉鎖して、取引を中止させる可能性も考えらえれます。

オラクル、ウォルマートとバイトダンスとの取引が中止になった場合、米国の動画投稿アプリ市場にとって大きな打撃となるでしょう。

米国裁判所は依然として介入できる

トランプ大統領はティックトックと、中国大手のテンセントが運営しているメッセージアプリであるWeChatの両方の禁止を命じました。

しかし、カリフォルニア州の連邦裁判官は最近、米国内の中国人ユーザーへの危害に関する懸念を理由に、米国アプリストアからのWeChatの削除を中止しました。

このようなこともあり、オラクルとウォルマートの契約が破綻したとしても、米国裁判所がティックトックの使用禁止を救うことができる可能性は残されています。

ティックトックの話はまだ終わっておらず、所有権の問題、税収の使途、中国での新しいAI輸出ルールについての議論が残っているため、今後も多くの調整が必要になる可能性があります。

 

転載元:モトリーフール

 

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記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。マイクロソフトの子会社LinkedInの従業員であるTeresa Kerstenは、モトリーフール米国本社の取締役会メンバーです。Randi Zuckerbergは、フェイスブックのマーケティング開発部の元ディレクターおよび元スポークスウーマンであり、マーク・ザッカーバーグCEOの姉です。Randiはモトリーフール社の取締役会メンバーです。元記事の筆者Leo Sunは、フェイスブック株、テンセント・ホールディングス株を保有しています。モトリーフール米国本社は、フェイスブック株、テンセント・ホールディングス株、マイクロソフト株を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、マイクロソフト株のオプションを推奨しています(2021年1月の85ドルのロング・コール、2021年1月の115ドルのロング・コール)。