モトリーフール米国本社、2020年8月24日投稿記事より

読者の方々がウォーレン・バフェット氏のファンであろうとなかろうと、同氏が史上最も偉大な投資家の一人であることは疑いありません。

複合企業バークシャー・ハサウェイ(NYSE:BRK.A)(NYSE:BRK.B)の最高経営責任者(CEO)であるバフェット氏は、1950年代以降、純資産を当初のおよそ1万ドルから800億ドルにまで増加させ、バークシャー・ハサウェイ株の1965年以降の年率複利リターンは20.3%に達しています。

1965年に100ドルをバークシャー・ハサウェイに投じていれば、今では250万ドルを上回っている計算になります。

バフェット氏の成功は主に持続可能な競争優位性を備えた企業を特定する能力と、株式の長期保有にあるとされますが、それだけではありません。

従来の分散投資の手法を受け入れるのではなく、自分が熟知した銘柄やセクターにこだわることによって、長期にわたるアウトパフォームを達成してきたのです。

8月20日(木)引け時点で、運用資産(2,400億ドル強)の92%をわずか3つのセクター(IT、金融、生活必需品)が占めています。

IT:組入比率49.33%

ITの組入比率は10年前のわずか0.43%から49.33%に上昇し、しかもその全てをアップル(NASDAQ:AAPL)が占めています。

2月に行われたCNBCのインタビューで、バフェット氏は「私はアップルを株式ではなく、バークシャー・ハサウェイの第3の事業と考えている」と述べています。

興味深い点として、バフェット氏が2016年にアップル株の組み入れに着手した際に注目したのはアップルの技術力ではなく、とてつもないブランド力でした。

新型iPhoneが発売されるたびにアップルの店舗に行列ができるのを見るだけで、そのブランド力が分かります。

バフェット氏は、アップルのティム・クックCEOの大ファンでもあります。

クック氏はアップルを製品志向の企業からサービス重視の企業へと変革しようとしているほか、株主還元も着実に実行しています。

アップルは積極的な自社株買いの資金調達のため、歴史的な低金利で借入を実施しており、年間配当は140億ドル強と、米国で名目配当額が最も大きい企業の一つです。

金融:組入比率29.05%

恐らく最も意外なのは、バフェット氏のお気に入りのセクターである金融セクターが現在、バークシャー・ハサウェイのポートフォリオの「わずか」29%しか占めていないという点です。

金融セクターの組入比率は2009年1-3月期の市場の底打ち以降、最低水準にあります。

組入比率が低下している一つ目の要因として、金融機関が景気敏感企業であり、一般に融資活動と金利収入の増加を促す安定的な経済成長に依存していることが挙げられます。

景気後退期にはFRB(連邦準備理事会)のハト派的な金融政策が貸出金利を押し下げるため、ウェルズ・ファーゴなどの金融機関の金利収入に悪影響が及ぶのです。

二つ目の要因は、バフェット氏とそのチームが金融セクターの保有株の整理を進めていると思われることです。

特にバンク・オブ・アメリカ(NYSE:BAC)はバフェット氏がここ数週間で積極的に積み増している銘柄です。

バンク・オブ・アメリカは銀行の中で金利に最も敏感な銘柄であるため、金利が上昇に転じると真っ先に恩恵を受ける見込みです。

一方、ウェルズ・ファーゴの組入比率は着実に低下しています。

目先の成長見通しが冴えないことに加え、同社は2016年~2017年の不正口座をめぐる不祥事を払拭するのに苦戦しています。

生活必需品:組入比率13.56%

生活必需品の組入比率は14%を割り込み、10年前の45.5%を大きく下回っています。

一つには10年以上に及ぶ低金利環境が考えられます。

一般に生活必需品企業はバリュー株が選好される時期に恩恵を受ける成熟型の低成長企業ですが、低金利の融資に支えられ、グロース株は成熟した企業やバリュー株を大幅にアウトパフォームしています。

その結果、大半の生活必需品株は何年にもわたり足踏み状態が続いています。

もう一つの要因は、バフェット氏が過去数十年で最悪の投資の一つとなったクラフト・ハインツ(NASDAQ:KHC)の痛みを解消できないでいることです。

新型コロナウイルスの世界的流行を背景にクラフト・ハインツの加工食品への関心は再び高まっているものの、同社では2019年2月に発表した150億ドル強ののれん代償却の影響が尾を引き、総額290億ドル近くの債務が足かせとなっています。

クラフト・ハインツは揺るぎないビジネスモデルであるとみなされていましたが、そうではないことが判明しています。

その結果、生活必需品株に対するバフェット氏の関心は低下している模様です。

 

※マネックス証券では、バークシャー・ハサウェイ(NYSE: BRK.A)の取扱いはしておりません。

 

転載元:モトリーフール

 

免責事項と開示事項
記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Sean Williamsは、バンク・オブ・アメリカ株を保有しています。モトリーフール米国本社は、アップル株、バークシャー・ハサウェイ(B株)を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、バークシャー・ハサウェイ(B株)のオプションを保有しています(2021年1月の200ドルのロング・コール、2021年1月の200ドルのショート・プット、2020年9月の200ドルのショート・コール)。