モトリーフール米国本社、2020年8月6日投稿記事より

近年、バークシャー・ハサウェイ(NYSE:BRK.A)(NYSE:BRK.B)のウォーレン・バフェットCEOは過去10年のリターンでベンチマークのS&P500指数をアンダーパフォームしているとして、大いに批判されてきました。

しかし、「オマハの賢人」の異名を持つバフェット氏が指揮をとった50年以上の間に、同社の株価は2,744,062%上昇しており、S&P500指数の配当支払いを含むリターンである19,784%を圧倒しています。

ここ最近でも、アップル株への4年間の投資で含み益は740億ドルとなり、さらに20億ドル以上の配当を受け取っています。

そのバフェット氏が売り買いする銘柄には、ウォール街からも一般投資家からも注目が集まります。

米証券取引委員会(SEC)への提出資料により、同社は第2四半期(4-6月期)に保有航空株4銘柄を全て売却し、USバンコープとバンク・オブ・ニューヨーク・メロンの保有株を規制上の理由で(持分比率を10%未満に抑えるため)減らしたことが判明しています。

加えて、以下の3銘柄も第2四半期に売却したものと思われます。

ゴールドマン・サックス

大手投資銀行ゴールドマン・サックス(NYSE:GS)の株も、第2四半期に処分された可能性が極めて高いと考えられます。

それまでの2四半期で、バークシャーは持ち株数を1,800万株から192万株に減らしていましたが、バフェット氏が持ち株を長期間かけて減らしていくことは極めて稀であるため、これは完全に処分する準備だったと思われます。

気になるのは、その理由です。

第2四半期の営業収益は債券、為替、コモディティの各部門が9年ぶり、株式部門が11年ぶりの高水準を記録するなど、前年同期比41%増と大幅に伸びています。

最も考えられる理由は、M&A業務に対する懸念です。

新型コロナウイルスが米国経済と世界経済に及ぼしている悪影響により、企業のM&A(合併・買収)活動を通じた投資銀行業務は数四半期先まで停滞し続けそうです。

バークシャーがゴールドマン株の売却によって投資額を上回る金額を手にするのは間違いなさそうですが、今手放す理由については少し謎が残ります。

チャーター・コミュニケーションズ

同じく第2四半期に売られた可能性が高いのは、ケーブルテレビ会社のチャーター・コミュニケーションズ(NASDAQ:CHTR)です。

バークシャーは同社株をこの2年にわたり少しずつ放出してきました。

初期コストに対するリターンは約240%とみられ、バフェット氏は同社の予測しやすいキャッシュフローと太っ腹な株主還元策を大いに気に入っているようです。

第2四半期(4-6月期)の連結フリーキャッシュフローは19億ドルで、自社株230万株を12億ドルで買い戻しました。

しかしながら、バフェット氏が求める割安感は、もはや無くなっています。

ネット配信サービスとの競争にさらされる中、2021年度の売上高成長率は5%を下回ると予想されています。

この成長率では32倍という高い予想株価収益率(PER)をとても説明できず、バークシャーは第2四半期に同社株を減らしたと考えるのが妥当でしょう。

オクシデンタル・ペトロリアム

最後に、第2四半期後半の原油価格と石油関連株の反発は、バークシャーにとって石油探査・掘削大手オクシデンタル・ペトロリアム(NYSE:OXY)の持ち株を減らす好機だったと考えられます。

バフェット氏と同社は、少し妙な関係にあります。

同氏は昨年、アナダルコ・ペトロリウムの買収資金として100億ドルを提供し、引き換えに利回り8%の優先株を受け取りました。

ところがコロナ禍で原油価格が急落すると、バークシャーへの配当支払いが不可能になり、代わりにバフェット氏に新株を発行した結果、同氏の持ち株数は1,720万株を超えました。

2019年に盤石と思われた買い材料は世界的な石油需要の急減によって崩れ、アフリカに持つ非中核資産を売却して負債を減らすという計画も思惑通りに進んでいません。

その結果、設備投資を減らすしかない(そして既に配当を減らしている)状況にあります。

このため、当初の計算が狂ったバフェット氏としては、配当として受け取った株を売却することが資産保護のために合理的なように思われます。

実際に同氏が第2四半期に売却した株は、間もなく公表される13F報告書で明らかになります。

 

※マネックス証券では、バークシャー・ハサウェイ(NYSE: BRK.A)の取扱いはしておりません。

 

転載元:モトリーフール

 

免責事項と開示事項
記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Sean Williamsは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール米国本社は、アップル株、バークシャー・ハサウェイ(B株)を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、バークシャー・ハサウェイ(B株)のオプションを保有しています(2021年1月の200ドルのロング・コール、2021年1月の200ドルのショート・プット、2020年9月の200ドルのショート・コール)。