モトリーフール米国本社、2020年7月30日投稿記事より

新型コロナウイルスの大流行に影響を受けた株価暴落が3月に起こり、市場を震撼させました。

しかし株価は回復しつつあり、S&P500指数は年初とほぼ同じ水準となっています(執筆時点)。

同指数は、7月だけでも約5%上昇していますが(執筆時点)、すべての構成銘柄がモメンタムを享受しているわけではありません。

公益事業持株会社ファーストエナジー(NYSE:FE)、半導体大手インテル(NASDAQ:INTC)、床製品メーカーのモホーク・インダストリーズ(NYSE:MHK)は、いずれも7月だけで2桁下落しており、全体的に上昇が続くS&P500の構成銘柄で最もパフォーマンスの悪い銘柄となっています。

投資家は、このような下落銘柄の再上昇の可能性に賭けるべきでしょうか?

それともすでに上昇基調にあり、業績予想に期待できる銘柄を探すべきでしょうか?

株価低迷の理由

優良でありながら一時的な株価低迷に見舞われた銘柄を買えば、長期リターンは劇的に向上するかもしれません。

一方で、それに伴うリスクにも注意が必要です。

重要なのは、単に直近で大幅下落している銘柄に投資するのではなく、銘柄を個々に分析することです。

ファーストエナジー、インテル、モホーク・インダストリーズが低迷している理由と、現在のバリュエーションについて見ていきましょう。

ファーストエナジー

ファーストエナジーは7月21日のプレスリリースで、同社がオハイオ州当局から、贈収賄計画を策定した容疑で捜査を受けていることを発表しました。

司法省の供述書によると、元子会社である原子力発電所2箇所の救済措置などにつながる法案を後押しする見返りに、同州議会の議長や州職員などが同社から賄賂を受け取ったとされています。

この捜査に関して、同社および同社の政治活動委員会、元子会社すべてに召喚状が送付されています。

現時点で個人が刑事訴訟の被告とはなってはいませんが、投資家は捜査の状況を憂慮しています。

当局の捜査に関するニュースの他にも、同社には新型コロナウイルスの大流行や景気後退に直面しています。

株価は年初来で約42%下落しています。

今年の予想利益に基づく株価収益率(PER)は11.5倍、予想配当利回りは5.4%です。

インテル

インテルが7月23日に発表した第2四半期業績は、売上、利益ともに市場予想を上回るものでしたが、同社が同時に発表したのは、弱気の業績ガイダンス、さらに製品ロードマップに関する変更でした。

同社初の7ナノメーター(nm)チップセットの発売が、前回発表された計画よりも6ヶ月以上遅れて、2023年になるというものです。

今年度の弱気な業績ガイダンスと考え合わせると、同社は正念場に来ており、重要な局面で競合に後れを取る可能性も出てきました。

7nm CPUは、競合のAMDとのデータセンター市場における覇権争いで鍵となる役割を果たすとされており、プロジェクトの遅れは痛手となります。

インテルの株価は年初来約20%下落しており、予想株価利益率(PER)はわずか10倍、配当利回りは2.7%です。

モホーク・インダストリーズ

モホーク・インダストリーズが2017年以降の売上を粉飾していたという疑惑がニュースとなり、同社の株価は下落しました。

同社が7月13日に米国証券取引委員会(SEC)に提出した決算短信(フォーム8K)によると、同社は民事裁判で告訴されており、SECとジョージア州当局の調査を受けていることを認めています。

不透明な経済環境にあることで、個人、法人ともに住宅や商業用スペースのリノベーションに積極的ではなくなっており、モホークに厳しい状況となっています。

株価は年初来約37%下落し、予想株価売上高倍率(PSR)は僅か0.7倍、予想PERは20倍です。

優良銘柄を“割安”で手に入れるには

ファーストエナジー、インテル、モホーク・インダストリーズは、業界は違いますが、業績予想は現在不透明感に覆われています。

7月の大幅下落により、これらの銘柄は、指標によっては割安にも見えます。

しかし基調となるビジネスが今後直面する課題を考慮した上で、バリュエーションや株価を分析する必要があります。

ファーストエナジーとモホーク・インダストリーズは、長期にわたり、かなりの費用とペナルティを受ける可能性のある法的問題を抱えています。

一方、インテルは、7nm CPUのプロジェクトが遅れることで、成長の可能性は低下しています。

さらに、製品が登場したとしても、そのインパクトは小さくなっている可能性もあります。

投資家は、リスクに対する自分の許容範囲を考えた上で、直近のファンダメンタルズを反映した株価で判断しようとせず、企業の長期予想に基づいて戦略を練る必要があるでしょう。

株価が下落しても、復活して素晴らしいリターンを上げる可能性もあります。

しかし往々にして、勝者は勝ち続け、敗者は負け続けるというのも傾向も留意しておくべきでしょう。

 

転載元:モトリーフール

 

免責事項と開示事項
記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Keith Noonanは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール米国本社は、インテル株を推奨しています。