モトリーフール米国本社、2020年7月19日投稿記事より

新型コロナウィルスとの闘いの渦中にある企業は、過去数カ月間株式市場をリードしてきましたが、今後は投資スタイルに応じた銘柄選択が必要と考えます。

上市製品があり、新型ウィルス関連でも成長を期待できる2銘柄と、リスクが取れる投資家には、コロナウィルスのワクチンが臨床治験中で、他にも今後承認を得られる可能性のある製品を持つ銘柄を取り上げます。

1.アストラゼネカ

アストラゼネカ(NYSE:AZN)は、4月30日にオックスフォード大学と新型コロナウィルスワクチンの開発・供給で合意しました。

その時点で競争相手モデルナ(NASDAQ:MRNA)のワクチンが臨床治験に入っていましたが、現在では両社が開発をリードしています。

アストラゼネカは臨床治験3段階中のフェーズ2に進み、モデルナは今月中にフェーズ3を開始しようとしています。

アストラゼネカは、米連邦政府がワクチン開発を後押しするワープ・スピード作戦で12億ドルを獲得しました。

アストラゼネカのパイプラインにある167の候補薬や、がん治療薬のブロックバスターであるタグリッソなどの上市済み製品群の成長も期待できます。

昨年同社の売上高は、前年比15%増と230億ドルを超え、直近四半期でも製品売上高は前年同期比15%増でした。

治療薬のすべてが伸び、タグリッソは同56%増の9億8,200万ドルに急拡大しました。

2020年の株価は年初から市場が急落するまで24%下がりましたが、本稿執筆時点では7%を超える上昇率です。

ワクチン開発の成功は、さらに株価を押し上げるかもしれません。

2.ギリアド・サイエンシズ

米食品医薬品局(FDA)は5月にギリアド・サイエンシズ(NASDAQ:GILD)の新型ウィルス治療薬レムデシビルの緊急使用を承認しました。

ギリアド・サイエンシズは当初無償でレムデシビルを供与しましたが、現在は価格を設定し販売しています。

レムデシビルの研究・開発投資は巨額で、同社は年末までに10億ドルに達すると予想しています。

しかし5日間の投与で患者一人当たりの価格を2,340ドルとする一方、ウィルス専門誌は1日分の生産コストは1ドル未満と推計しています。

新型ウィルスの治療薬以外では、ブロックバスターのビクタルビに牽引されるHIV(エイズ)治療薬が成長しています。

今後は、リウマチ性関節炎治療薬フィルゴチニブが、もう1つの牽引役になるかもしれません。

現在FDAが評価中で承認を待つ段階にあり、同社は年末までに欧州、日本での承認も期待しています。

株価は4月30日に最高値となり、年初来上昇率は29%でした。

市場の関心がワクチンメーカーに移り株価は多少勢いを失いましたが、今年上半期の上昇率は18%でした。

今後はワクチンメーカーより緩やかながらも着実な上昇が期待できます。

3.ノババックス

上市製品がない臨床バイオ医薬品メーカーのノババックス(NASDAQ:NVAX)は、ワープ・スピード作戦で、今のところワクチンメーカー最高額となる16億ドルを獲得しました。

2社が先行するとはいえ、ワクチン開発ではタイミングだけが問題ではなく、他社の治験動向やデータの優位性もかかわることから、同社にもチャンスはありそうです。

ノババックスは、インフルエンザワクチンのナノフルの承認をFDAに申請する準備もしています。

フェーズ3ですべての初期条件を満たしたことが、株価を強気に見る理由です。

同社のリスクは、ワクチン開発競争のニュースに株価がきわめて敏感に反応する点にあります。

連邦政府による資金提供の報道後、取引時間中に株価は32%急騰し、年初から24倍に上昇しました。

今月下旬に発表を予定している中間治験結果の内容は、株価上昇にも大幅な下げにもつながります。

故に同社は、リスクを気にしない投資家向けなのです。

 

転載元:モトリーフール

 

免責事項と開示事項
記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Adria Ciminoは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール米国本社は、ギリアド・サイエンシズ株を保有し、推奨しています。