モトリーフール米国本社、2020年6月8日投稿記事より

がん治療薬はこの10年で長足の進歩を遂げています。

がん免疫療法と遺伝子治療の台頭により、患者のアウトカムはかつてなく改善しています。

こうしたバイオメディカル・サイエンスの将来にわたる進歩から利益を得たいと望む投資家は、ポートフォリオに適切ながん治療薬銘柄を組み入れる必要があります。

筆者は、革新的な医薬品の開発への取り組みと今後5年間の成長の可能性に基づき、4つの有望ながん治療薬銘柄を特定しています。

以下、これらの企業が注目される理由、他社との競争に勝つためのアプローチ方法、リターンを最大化するための投資時期について説明します。

1種類の医薬品で複数の適用症が期待できるメルサナ

メルサナ・セラピューティクス(NASDAQ:MRSN)の抗体医薬複合体(ADC)製品の特筆すべき点は、標的であるがん細胞に治療分子を直接届ける能力を持つこと、そしてこの能力により服用に伴う副作用が化学療法などの治療法よりも低いことです。

この治療法はまだ臨床段階にあるため、メルサナには手元現金がほとんどありませんが、同社は今年6月初めに株式を公開して1億7,480万ドルの資金を調達しました。

メルサナの大半のADCプログラムは複数種類のがん治療を目的としています。

例えばXMT-1536プログラムの場合、フェーズ1臨床試験が無事終了してフェーズ2に移行すれば、卵巣がん、非小細胞肺がん、腺がんにおける効果が評価される可能性があります。

今年5月下旬に報告されたフェーズ1の中間データが好ましい内容だったことを考えると、XMT-1536が今年後半にフェーズ2に移行する可能性は高いと言えます。

同社のその他のプログラムは様々な病理による固形腫瘍を標的としています。

つまり、同一の医薬品で複数のがん市場に参入できる可能性が高いことになります。

メルサナへの投資を急ぐ必要はありませんが、フェーズ2が完了する前に株式を購入しておけば、より高いリターンが得られるでしょう。

ジャウンス独自の免疫療法は革命を起こす可能性がある

免疫がん治療を手掛けるジャウンス・セラピューティクス(NASDAQ:JNCE)は2017年に新規株式公開(IPO)して以来、グロ-ス株の仲間入りをしたことはありません。

2018年初めに付けた最高値を回復しておらず、第1四半期の決算が失望的だったことから市場は同社にあまり関心を示していません。

しかし、同社の将来が明るいものとなる可能性はまだあります。

ジャウンスの科学的アプローチは腫瘍微小環境内の免疫系細胞を標的にするというもので、競合他社とはやや異なります。

簡単に言えば、同社の免疫療法は、固形腫瘍内のハイインパクト領域に存在する抗腫瘍免疫細胞に影響を与えることができます。

他の抗がん治療法では抗腫瘍免疫細胞に完全にアクセスするのは極めて困難でした。

ジャウンスの治療法が成功すれば、免疫療法の新たな領域が開かれ、他の抗がん治療と組み合わせて使用する新たな治療ツールを臨床医に提供することになります。

同社のアプローチがどれだけ効果的なのかはまだ分かっていませんが、同社は現在、非小細胞肺がんプログラムのフェーズ2臨床試験を行っており、結果はもうすぐに出ます。

いつ投資すべきかを知るには、同社が6月26日にバーチャルで開催する株主総会で発表される情報に注目するのが良いでしょう。

同社が治療薬を製品化して市場に参入するまで生き残る保証はありませんが、がん治療薬市場全体に強気な投資家にとって待つ理由はありません。

承認済みがん治療薬で新たな市場に参入するアギオス

アギオス・ファーマシューティカルズ(NASDAQ:AGIO)は、既に承認済みの医薬品の新たな適応症を評価する後期開発段階の医薬品プログラムを数多く持っています。

承認済みの医薬品を収益性の高い製品に結びつけることができれば、今後の成長に必要なキャッシュフローを創出できるようになります。

アギオスの急性骨髄性白血病(AML)治療薬であるティブソボは既に2つの適応症で承認されており、現在は別の3つの適応症を対象としたフェーズ3臨床試験が行われています。

同社のもう一つの医薬品であるイディファもAML治療薬であり、追加的な適応症への効果を調べるための臨床試験が行われています。

一方、同社の新薬開発パイプラインを見ると、神経膠腫からサラセミアなど、がん以外の疾患を対象としたいくつかの医薬品がフェーズ3の段階にあります。

アギオスの直近四半期の売上高は前年同期比188.1%増となり、損益黒字化に向けて順調に前進しています。

次の四半期決算が発表される前に投資することをお勧めしますが、懐疑的な投資家がしばらく様子見姿勢を取ったとしても、それほど大きく損をすることはないでしょう。

無細胞タンパク質治療法に軸足を置くストゥロへの投資はギャンブルだが、ハイリターンが期待できる

臨床段階および臨床前段階の薬物の発見・開発・製造を手掛けるストゥロ・バイオファーマ(NASDAQ:STRO)は、無細胞治療法を発見するための無細胞タンパク質合成プラットフォームと無細胞医薬品向けの製造品質管理プロセス(cGMP)対応設備を有することで知られています。

ストゥロは、無細胞技術を中心に据えることにより、より高価な細胞ベースの方法論に依存する競合他社よりもコストを低く抑えられると考えています。

同社は他にも、抗がん剤の開発パイプラインも持っています。

同社のADCであるSTRO-002では現在2つの臨床試験プログラムが行われています。

1つは、卵巣がんと子宮内膜がんの両方に対するフェーズ1臨床試験で、暫定的なデータは今年後半にフェーズ2に移行する可能性が高いことを示唆しています。

もう一つのプログラムは多発性骨髄腫、B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫に対するフェーズ1臨床試験です。

同社はこれら2つのプログラムに対して独占的な権利を有しています。

つまり、これらのプログラムが同社の長期的な成長の基盤となる可能性が非常に高いと言えます。

これとは別に、同社はメルクおよびEMDセロノとの臨床前段階の医薬品開発で、さらにブリストル・マイヤーズスクイブとフェーズ1臨床試験段階の医薬品開発で協業しています。

これらの協業がストゥロに過去12ヵ月間でもたらした売上高は4,126万ドルにとどまり、直近四半期は前年同期比17.1%の減収となりました。キャッシュフローがプラスに転じるまでには長い道のりがあります。

ストゥロの開発パイプラインにはフェーズ1臨床試験を終えている医薬品がないことから、同社の株式購入にはリスクがあります。

また、同社が証券詐欺のかどで株主から近い時期に訴訟を起こされる可能性があることも頭に入れておくべきでしょう。

訴訟が同社に有利な形で解決された場合、同社の株式には十分な上値余地があります。

したがって、当面は様子見とし、1年後にもう一度検討してみるのも良いかもしれません。

 

転載元:モトリーフール

 

免責事項と開示事項

記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Alex Carchidiは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール米国本社は、ブリストル・マイヤーズスクイブ株を保有し、推奨しています。