モトリーフール米国本社、2020年6月8日投稿記事より

なぜ投資会社バークシャー・ハサウェイ(NYSE:BRK.A)(NYSE:BRK.B)のウォーレン・バフェットCEO(最高経営責任者)にウォール街が注目するのか知りたければ、同社の直近の年次報告書を読むと良いでしょう。

同社の過去10年間の運用実績はS&P500指数と同程度ですが、過去55年間の累積では配当を含む同指数を270万%以上アウトパフォームしています。

あまり知られていないかもしれませんが、バフェット氏は分散投資を好みません。

同氏はキャリアの大部分において、生活必需品や金融といった少数のセクターに重点を置いており、いくつかの人気セクターへの投資を避ける傾向があります。

同氏が避ける3つのセクターを詳細に検討し、回避の理由を探ってみましょう。

ヘルスケア

ヘルスケアは比較的ディフェンシブなセクターです。

なぜなら、人間はいつどんな病気になるかを選べないため、ヘルスケア企業は景気動向にかかわらず、相対的に安定した需要が見込めるからです。

では、なぜヘルスケア株に投資しないのでしょうか。

理由の一つは、単純にバフェット氏には医薬品や医療機器の臨床試験について調べる時間がないからです。

もう一つの理由は、同氏が「エコノミック・モート」を有すると考える銘柄を好むことです。

「エコノミック・モート」とは持続的な競争優位を意味します。

米食品医薬品局(FDA)に承認された医薬品や医療機器は一定の期間しか独占を維持できないため、ほとんどのヘルスケア株にはバフェット氏が求める「モート」が存在しません。

同氏によるヘルスケアセクターの回避には例外もあります。

例えば、2000年代後半において、製薬・日用品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)(NYSE:JNJ)はバークシャーにとって最大の保有銘柄の一つでした。

しかし、過去10年間にわたり、J&Jは高利益率の製薬部門の成長を重視しており、2019年には売上の半分以上を製薬部門が占めました。

一方、バフェット氏は臨床試験データを追跡する意思があまりありません。

バークシャーが保有するJ&J株は今やわずか32万7,100株となっています。

ハイテク

バフェット氏が長年避けている人気セクターの一つはハイテクです。

しかし、バークシャーの運用資産の40%を占めるアップル(NASDAQ:AAPL)はハイテク株です。

現在の最大の保有銘柄がハイテク株なのに、どうしてハイテクセクターを避けていると言えるのでしょうか。

その理由は2つあります。

まず、過去15年間でバークシャーが保有したハイテク株はアップル、IBM、そして昨年IBMが買収したソフトウェア大手レッドハットだけです。

IBMとアップルへの投資は大規模でしたが、バフェット氏は意図的に最先端のハイテク株をポートフォリオに加えているわけではありません。

第二に、バフェット氏はアップルをハイテク株と認識していません。

同氏は2018年の年次株主総会で「私がアップルに投資したのはハイテク株だからではなく、同社のエコシステムとその持続性に価値があるためだ」と述べています。

恐らくバフェット氏がハイテク株を回避する最大の理由は、往々にしてハイテク株にはエコノミック・モートが存在しないためです。

バフェット氏はやや古風な投資家で、実物資産を有する企業の分析に慣れています。

一方、ハイテク企業はアセットライト(資産をあまり所有しない事業形態)で、主に特許やイノベーションによって成長率や企業価値を高めています。

バフェット氏にとって、アセットライトな事業がエコノミック・モートを実現できるか読み解くのは、そうでない事業に比べて大幅に困難でしょう。

最後に、バフェット氏は分かりやすい企業の大ファンです。

アップルはスマートフォンなどの有形の商品を販売しており、アップルTVやiクラウドなどのさまざまなサービスを提供する分かりやすい企業です。

しかし、ハイテク企業は分かりやすい企業ばかりではありません。

事業内容が一文で説明できない場合、バフェット氏はその企業への投資を望まない可能性があります。

素材

素材セクターには貴金属、卑金属、建築資材、特殊化学品メーカーなどが含まれますが、「素材」と聞くと、ほとんどの人は金投資や貴金属メーカーへの投資を思い浮かべるでしょう。

バフェット氏は金や鉱山会社を選好していません。

なぜ金を選好しないのでしょうか。金投資には2つの反論があります。

第一に、金は価値あるものを一切生み出しません。例えば、バフェット氏が銀行に投資するとき、同氏は銀行の金融サービスが利益を生み出し続けると認識しています。

しかし、金は何の利益も生みません。

あなたが支払った金額よりも高い価格で買われるのを、ただ待っているだけです。

第二に、バフェット氏は金に多くの実用的な用途があるとは考えていません。

金は一部のハイテク機器、歯科医療、宝飾品などに利用されていますが、同氏は金に産業用の中核的なニーズがあるとはみていません。

バークシャーが現在保有する唯一の素材株はアクサルタ・コーティング・システムズ(NYSE:AXTA)で、バフェット氏の運用資産に占める割合は0.3%未満です。

同社は主に自動車用の塗装システムを提供しています。

バフェット氏が自動車メーカーのゼネラル・モーターズを約7500万株保有していることや、アクサルタが同社のサプライチェーンに占める役割を踏まえると、この投資は筋が通っています。

それでも、バフェット氏の投資活動からみて、素材セクターが同氏の眼中にないのは明白です。

 

※マネックス証券では、バークシャー・ハサウェイ(NYSE: BRK.A)の取扱いはしておりません。

 

転載元:モトリーフール

 

免責事項と開示事項

記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Sean Williamsは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール米国本社は、バークシャー・ハサウェイ(B株)、アップル株を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、ジョンソン・エンド・ジョンソン株を推奨しています。モトリーフール米国本社は、バークシャー・ハサウェイ(B株)のオプションを保有しています(2021年1月の200ドルのロング・コール、2021年1月の200ドルのショート・プット、2020年6月の205ドルのショート・コール)。