モトリーフール米国本社、2020年5月14日投稿記事より

ハイリスクとハイリターンのトレードオフを好む投資家なら、クルーズ船運航大手のカーニバル(NYSE:CCL)の最近の株価暴落を受けて同社の株式の購入を検討しているかもしれません。

クルーズ船業界は、新型コロナウイルス感染大流行によって大きな打撃を受けています。

カーニバルの株式を襲った極めて悲観的な見方は、長期的には市場を上回るリターンへの土台となる可能性があります。

しかし、投資する前に知っておくべき重要なことがあります。

購入する理由とは

良いニュースは、カーニバルは新型コロナウイルス感染大流行によって姿を消す可能性の低い強固な企業であることです。

クルーズ船業界全体の旅客数は2017年の4億9,000万人から2018年は5億2,000万人、2019年は5億5,000万人へ増加し、このうちカーニバルの旅客は半分弱を占めています。

同社は家族向けのカーニバルから高級客船のプリンセスおよびシーボーンに至るまで、様々な価格帯をカバーする複数のブランドを有しています。

しかも同社のビジネスモデルは強靭です。

クルーズ料金以外に船内での売上高があります。

また、乗客の満足度が高まる一方で旅客輸送容量の伸びを抑制してきたことにより、クルーズ料金は上昇しています。

営業利益は2018年から2年間連続で30億ドルを超え、営業利益率は2018年が18%、2019年15.7%と堅調でした。

一方、2020年3月中旬から同社を襲っている新型コロナウイルス危機は、同社の業務運営能力そのものは脅かしていません。

同社がここ数週間に発行した社債への需要は旺盛で、これにより貸借対照表には数十億ドルの現金が追加されています。

投資が危険な賭けとなる理由

投資家はカーニバルの財務に打撃を与えているストレスをきちんと読み取っていますが、将来を見渡すとリスクは高まります。

まず、同社の寄港地がクルーズ船の受け入れを再開する時期や、その時点でのソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の保持)に関するガイドラインがどのようなものになるのか、明らかではありません。

さらに、人口の大半は寄港地から車で5時間以上のところに住んでおり、寄港地までの交通手段として航空機が重要な役割を担っています。

航空業界の運航休止が2020年を通じて継続すれば、カーニバルの業績と財務への圧力が高まります。

業界全体として検討すべき問題もあります。

例えば過剰な輸送能力が2021年以降も業界を悩ませる可能性があります。

ロイヤル・カリビアンやノルウェージャン・クルーズ・ライン(NYSE:NCLH)などの同業他社は、客室の数を減らしつつ船舶の効率的な運航を目指しています。

さらに、世界的なウイルス流行の余波や急激な景気後退のリスクがカーニバルの収益の可能性を大幅に損ない、同社の事業に内在するその他の課題を増幅すると思われます。

待つことは選択肢の1つ

以上のような問題があるからといって、カーニバルが不利な投資先である、あるいは新型コロナウイルスの脅威が和らいだ後に株価は最高値を更新しないということにはなりません。

パンデミックに襲われる前、同社は収益性の高い業界で好調な事業を展開していました。

こうした要因は10年後にも当てはまるはずです。

とはいえ、高まる不確実性はカーニバルが魅力的な株式になるのを阻んでいます。

同社の事業の6カ月後または2年後の状況を合理的に予想できない場合、当面は様子見姿勢を取るのが賢明です。

新型コロナウイルス感染大流行はクルーズ船業界の強固さに関する根本的な問題を提起していますので、投資家は状況がより明確になるまで待つべきです。

転載元:モトリーフール

免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Demitrios Kalogeropoulosは、カーニバル株を保有しています。モトリーフール米国本社は、カーニバル株を推奨しています。