モトリーフール米国本社、2020年5月24日投稿記事より
植物由来代替肉のビヨンド・ミート(NASDAQ:BYND)は、5月上旬に2020年第1四半期(1〜3月)決算を報告しました。
同社の売上高は、前年比141%増の9,710万ドルとなりました。また、前年同期の1株当たり損失は0.95ドルでしたが、1株当たり利益(EPS)は0.03ドルとなりました。
市場予想は、売上高8,730万ドル、1株当たり損失0.06ドルとなっており、コンセンサスを上回ったことから、同社の決算発表翌日の株価は26%上昇しました。
年初来から22日までにビヨンド・ミートの株価は81%増となっています。2019年5月に25ドルで上場して以来、株価は447%増という驚異的な数字を達成しています。
本記事では第1四半期決算報告で共有された3つの重要事項を紹介します。
新型コロナウイルスの影響
新型コロナウイルスにより、売上高はマイナスの影響を受けています。
CEOのイーサン・ブラウンは以下のように述べています。
「私たちは今年一年を力強い勢いで開始しましたが、3月後半には新型コロナウイルスの影響でフードサービス事業が大きく減速しました。同時に小売顧客への販売が増加しましたが、フードサービス事業の需要の悪化を補うには不十分でした。」
新型コロナウイルスがフードサービス事業に悪影響をもたらしたにもかかわらず、その売上高は前年同期から100%増となっています。
また、小売部門の売上高は前年比185%増となりました。総売上高の内訳は58%が小売、42%がフードサービスによってもたらされています。
ビヨンド・ミートは、四半期末にフードサービスから小売へ需要が大幅に変化したことにうまく対応しました。これは第2四半期も続いていることから、新型コロナウイルスの影響は、第1四半期よりも第2四半期に響いてくるでしょう。
食肉の供給不安から生まれる新規顧客の獲得
しかし、これを機にビヨンド・ミートは、新規顧客を獲得する機会が生まれます。ブラウン氏は以下のように述べています。
「新型コロナウイルスが世界経済に影響を及ぼし始めたとき、私たちは対策として、小売業者向けのバリューパックの開発や、積極的な価格の割引を行い、植物由来代替肉を初めて購入する消費者を増やすための戦略的機会を設けました。」
新型コロナウイルスのパンデミックは、世界中で食肉のサプライチェーンを混乱させ、食肉の供給不足と価格上昇を引き起こしました。これは、ビヨンド・ミート製品を初めて試す良い機会となり、一部顧客は食肉の供給が安定してからも、リピーターになる可能性があります。
同社はこの夏にも割引等の積極的なキャンペーンを行う予定です。
これらのキャンペーンは、食肉の供給が不安定になっているこの時期に、新規顧客に自社製品を試すことを促すための戦略にすぎません。
ブラウン氏によると、この割引によって通常の肉製品と同等の価格まで下がることはできないまでも、食肉と検討することができる価格帯にまで下げることができると考えています。
アジアでの生産拠点の確立
また、同社はアジアでの生産能力の確立することに取り組んでいます。
ブラウン氏は以下のように述べています。
「新型コロナウイルスの感染拡大がいつまで続くかわからない中、2020年末までにアジアで生産拠点を確立するという目標に引き続き注力しています。アジアにおける成長機会の大きさを考えると、多額の投資を行うべきであることは明らかです。」
ビヨンド・ミートは、スターバックス(NASDAQ:SBUX)とのパートナーシップにより4月22日に中国に進出しました。
ブラウン氏は、中国展開は成功しており、ソーシャルメディアでも消費者が製品を受け入れていると語りました。
さらに、ビヨンド・ミートは最近、中国の大手ディストリビューターであるSinodisと販売契約を結び、中国の小売およびフードサービス事業に製品を販売していくことになります。
転載元:モトリーフール
免責事項と開示事項
記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Beth McKennaは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール米国本社は、スターバックス株を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、ビヨンド・ミート株を推奨しています。