モトリーフール米国本社、2020年3月16日投稿記事より

アッヴィ(NYSE:ABBV)は世界中でトップクラスの売れ行きを誇る医薬品を生産する企業。

一方、ジョンソン・エンド・ジョンソン(NYSE:JNJ)は誰もが知っている企業で、多岐にわたる消費者向け製品と医薬品を販売しています。これらのヘルスケア企業をそれぞれ詳しく見てみましょう。

アッヴィ

同社の株価は2019年に3.9%下落し、S&P500指数が28.9%のリターンを上げるなか、市場全体をアンダーパフォームしました。

2020年に入り、S&P500指数が年初来24.7%下落するなか、アッヴィは年初来10%の下落にとどまり、市場全体をアウトパフォームしています。

2019年第4四半期(10~12月)には、同社最大の売れ筋製品である関節リウマチ治療薬ヒュミラが米国で堅調に売上を伸ばしたことにより、純利益は28億ドルとなりました。

通期では純利益が79億ドルと前年の57億ドルから増加しました。

一株当たり利益(EPS)は2019年には5.28ドルと、2018年の3.66ドルから上昇しました。

世界売り上げトップの薬剤ヒュミラからの純収入は、米国内では第4四半期に前年同期比9.8%増となった一方で、米国外ではバイオシミラー(バイオ後続品)との競争により同27%減となりました。

その結果、グローバルでは同医薬品からの純収入は49億ドルと、前年同期から横ばいとなりました。

抗がん剤イムブルビカも売上を伸ばしており、同社は継続的な成長を見込んでいます。

同医薬品やベネクレクスタを含む血液がん治療の製品群からの純収入は第4四半期に15億ドルと、前年同期から37%増加しました。

免疫疾患の新治療薬スキリージとリンヴォックの第4四半期の純収入はそれぞれ2億1,600万ドル、3,300万ドルとなりました。

同社は今年、これらの製品からの収入が17億ドルに達すると予想しています。

同社による同業アラガンの630億ドル規模の買収は、2020年第1四半期にクローズの予定でしたが、米連邦取引委員会(FTC)による結論の遅れで延期となっています。

アラガンは大ヒット美容医薬品のボトックスを製造しており、将来的にアッヴィの収入源をより多角化させるでしょう。

欧州委員会は3月初めに買収を承認しており、同社は第2四半期にFTCの結論が出されると予想しています。

ジョンソン・エンド・ジョンソン

同社の株価は2019年に13%上昇し、S&P500指数を下回ったものの、アッヴィを上回りました。

2020年は年初来13%下落しており、アッヴィよりも激しい落ち込みとなっています。

ジョンソン・エンド・ジョンソンはアッヴィと比べてより多岐にわたる収入源を持っています。

消費者向け製品部門では、ニュートロジーナやアヴィーノ等よく知られたスキンケア製品、タイレノール、モートリンなどの鎮痛剤、バンドエイド、リステリン、ジョンソンの石鹸やベビーパウダーといった有名なヘルスケア製品を製造販売しています。

医療機器部門では、整形外科用、手術用、視力関連機器を販売しています。

また子会社のヤンセンは医薬品事業を行っており、クローン病治療薬ステラーラや幅広い自己免疫疾患の治療薬レミケードを含む免疫関連医薬品を生産しています。

2019年第4四半期(101~2月)には、売上は前年同期から1.7%増の207億ドル、純利益は同31.8%増の40億ドルとなりました。

通期では、売上が前年から1%弱増の821億ドル、純利益は同1.2%減の151億ドルでした。2019年のEPSは前年から0.4%増の5.63ドルとなりました。

通期の売上は、医薬品部門が5.8%増、医療機器部門は3.9%増、消費者向け製品部門は1.4%増でした。

2020年ガイダンスでは、売上が5-6%の増加、調整後EPSが3.1~4.8%の増加としています。

同社は大きな法的トラブルをいくつか抱えています。

2018年、同社はベビーパウダーが原因で癌を発症したと主張する訴訟の原告に対し47億ドルを支払いました。

2019年には、同社がオピオイド(麻薬入り鎮痛剤)を不適切な手法で販売したことで、オクラホマ州の「オピオイド」危機を引き起こしたとの判決が下されました。

また、同社の統合失調症薬リスパダールによる副作用で乳房が女性化したと主張する男性の原告への支払いも命じられています。

今年2月には、ベビーパウダー関連の訴訟で4人の原告に7億5,000万ドルを支払うように命じられました。

同社を相手取り16,800人の原告がパウダー関連の訴訟を起こしており、この法的トラブルはまだ継続しています。

どちらを選択すべきでしょうか

現時点ではアッヴィでしょう。ジョンソン・エンド・ジョンソンは法的トラブルにもかかわらず売上を伸ばしていますが、これらの訴訟は今後も利益を抑える要因となるでしょう。

アッヴィは予想PER(株価収益率)が9倍と割安ですが、アラガン買収とその商品は大きな成長ポテンシャルを持っています。

さらに、アッヴィは一株あたり1.18ドルの四半期配当を支払っており、過去7年間毎年増配を続けています。

ジョンソン・エンド・ジョンソンも配当を支払っていますが、同社のリスクからすると十分とは言えません。

 

転載元:モトリーフール

 

免責事項と開示事項

記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Dave Kovaleskiは、記事で言及されいている株式を保有していません。モトリーフール米国本社は、ジョンソン・エンド・ジョンソン株を推奨しています。