モトリーフール米国本社、2020年3月18日投稿記事より

ハイテク銘柄は通常、配当利回りが高くありません。ハイテク企業は成長に重点を置き、研究・開発や事業拡大に現金を投じることで知られています。

しかし、配当を支払うハイテク株も存在しており、その中には高い配当を持続的に支払う銘柄もあります。

モバイル半導体メーカーのクアルコム(NASDAQ:QCOM)とブロードコム(NASDAQ:AVGO)、ネットワーク機器メーカーのシスコ(NASDAQ:CSCO)は、いずれもこうした銘柄に該当します。

クアルコムは新型コロナウイルス感染拡大の最中に増配

新型コロナウイルスの感染拡大は世界経済に壊滅的な影響を与えています。

フランス、イタリア、スペインは経済活動をほぼ停止しており、米国の感染者数は増加しています。

中国の状況は好転しつつあるかもしれませんが、依然として先行きは非常に不透明です。

このことは、スマートフォン市場や、クアルコムなどのスマートフォン部品サプライヤーに悪影響を与えています。

2月前半、スマートフォン向け半導体とモデムの世界最大のメーカーであるクアルコムは、感染拡大による世界のモバイル市場の混乱を理由として、業績予想の下方修正を発表しました。

しかし、同社はその1か月後に四半期配当を5%引き上げると発表し、増配を実施しました。

四半期配当は1株当たり0.62ドルから0.65ドルに引き上げられます。

配当利回りは3.7%で、低金利環境にしては悪くないと言えます。

感染拡大にもかかわらずクアルコムが増配したことは、同社の潜在的な強さを浮き彫りにしています。

目先の需要は低迷する可能性があるものの、5Gネットワークは依然として構築中であり、スマートフォン買い替えの繰延需要も存在します。

アップル(NASDAQ:AAPL)やサムスン(OTC: SSNLF)などが5G対応デバイスを発売するため、5Gは買い替えのスーパーサイクルに拍車を掛けると予想されます。

アップルやサムスンなどの大手スマートフォンメーカーは既存製品にクアルコムのモデム半導体を使用しており、5G対応デバイスの発売も近づいています。

この結果、クアルコムや投資家は恩恵を受ける見込みです。同社が9年連続で増配を続けていることもプラス材料です。

ブロードコムは5Gの恩恵を受ける

半導体メーカーのブロードコムも、新型コロナウイルスの感染拡大による影響は避けられません。

しかし、同社の見通しと配当には多くの好ましい点があります。

先週、同社は需要の減少を理由に2020年売上目標を下方修正しました。

第2四半期の予想売上は57億ドル(変動幅は±1億5,000万ドル)で、コンセンサス予想を下回っています。

ブロードコムは、下方修正に際して、ワイヤレス半導体事業を売却する予定がないことを明確にしました。

さらに、ある大口顧客向けに、3世代にわたる5Gスマートフォンの高周波半導体を提供する予定であると述べました。

ウォール街はこの大口顧客がアップルであると考えています。

新型コロナウイルスの感染拡大を世界的に抑え込めれば、クアルコムと同様にブロードコムも5G展開の恩恵を受けるでしょう。

配当に関しては、ブロードコムの年間配当利回りは6.6%です。

直近四半期の配当性向は61.9%でした。これは利益の半分以上を配当として株主に還元していることを意味します。

同社は10年連続で増配しています。

5G対応デバイスの発売が近づいていること、およびアップルとの関係が続いていることから、配当は増加する可能性があります。

これはインカム志向の投資家にとって好ましいことです。

シスコは売上の減少にもかかわらず増配

ネットワーク機器メーカーのシスコにとって、新型コロナウイルスの感染拡大は最悪のタイミングだったと言えるかもしれません。

同社は売上が低迷する中で事業再編に取り組んでおり、ハードウェアからソフトウェアおよびサービスへと重点を移していました。

2月後半、同社はウォール・ストリート・ジャーナルに対し、景気が不透明な中で従業員の一時解雇を増やすことを認めました。

第2四半期の売上が4%減少したにもかかわらず、シスコは1株当たり四半期配当を0.36ドルへと0.01ドル(3%)引き上げました。配当利回りは4.1%です。

同社の最高財務責任者(CFO)であるケリー・クレーマー氏は、増配は「当社の堅調なキャッシュフローへの信頼感の表れであり、株主還元へのコミットメントを示すものだ」と述べました。

シスコは9年連続で増配を続けています。

同社は潤沢な手元資金を保有しており、5GとWi-Fi 6による恩恵も受ける見込みであるため、今後の配当は確保されています。

新型コロナウイルスは世界中に広がっており、世界経済への影響は依然として不透明です。

そのため、株価の値動きは激しく、大きなボラティリティを生み出しています。

インカム志向の投資家は、今後他社に抜きんでるとみられる高配当のハイテク株を選別することで、新型コロナウイルスによる打撃を軽減できる可能性があります。

クアルコム、ブロードコム、シスコはうってつけの銘柄となりえるでしょう。

 

転載元:モトリーフール

 

免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Donna Fuscaldoは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール米国本社は、アップル株を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、クアルコム株を保有しています。モトリーフール米国本社は、ブロードコム株を推奨しています。