モトリーフール米国本社、2020年1月26日投稿記事より

2019年は原油価格が35%上昇したにも関わらず、エネルギー・セクターにとって精彩を欠いた年でした。

S&P500指数全体の上昇率は28.9%でしたが、同指数エネルギー・セクターの上昇率は、わずか5%にとどまりました。

現在、同セクターのトップ企業数社が、比較的割安な水準にあり、投資妙味があります。

その先頭に立つのが、ミッドストリーム(パイプライン等の中間担当)大手エナジー・トランスファー(NYSE:ET)、石油・天然ガス関連アップストリーム(採掘、開発等)大手EOGリソーシズ(NYSE:EOG)、石油精製大手マラソン・ペトロリアム(NYSE:MPC)です。

エナジー・トランスファー:高い成長率

同社は、エネルギー・セクター最大のマスター・リミテッド・パートナーシップ(MLP、共同投資事業形態の一つ)です。

大企業にもかかわらず同社の成長率は高く、昨年の利益成長率は16%でした。この傾向は今年も続くでしょう。

投資家は高成長を好感することから、高成長企業はバリュエーションも高くなりがちですが、同社のバリュエーションは平均的成長率の企業並にとどまっています。

株価収益率(PER)は9倍以下で、競合の約11倍を下回っています。

一方、昨年株価が下落したため、同銘柄の現在の配当利回りは9%と高い水準です。

高配当利回り、低バリュエーション、成長見込みを総合すると、今後大きなトータル・リターンを見込める可能性があります。

EOGリソーシズ:潤沢な余剰資金

2019年、原油価格が急騰したにもかかわらず、EOGリソーシズの株価は16%下落しました。

同社は、原油価格1バレル50ドルでも収益をあげることができるため、1バレル約60ドルである現在、株価がアンダーパフォーマンスしているのは不可解です。

1バレル50ドルでも、同社は10%増産し、かつ配当を支払って、さらに余裕のある現金を生み出せることになっています。

1バレル約60ドルの現在、同社は多額の余剰資金を生み出しています。

同社は高リターンの油田を低コストで採掘して、原油生産量と余剰資金を増やす戦略をとっています。長期的にみて株価は上昇するはずです。

マラソン・ペトロリアム:収益増のための取り組み

同社の2019年のパフォーマンスは、マイナス14%でした。

物言う株主(アクティビスト)は、ガソリンスタンド事業を行う「スピードウェイ」を上場企業へ、パイプライン事業のMPLXを独立した企業へと分割することで企業価値を高めることを要求し、現在、一部その方向に向けて動き出しています

一方2020年1月から、船舶による硫黄酸化物の排出基準が強化されていますが、同社は中核である精製事業に集中することで、この期に乗じることができるはずです。

これらのことから、アナリストは今年、同社の株価が上昇すると予想しています。

ネガティブなセンチメントが薄れることを期待

昨年、原油価格が高騰するなかエネルギー・セクターが低迷したのは、業界のファンダメンタルが改善しているにもかかわらず、投資家のセンチメントが依然ネガティブだったことが大きな要因です。

投資家のセンチメントが変化するには当分時間がかかりそうですが、一旦変化すれば、この3銘柄は大きく上昇するはずです。

 

転載元:モトリーフール