結婚したい、子どもが欲しい。そう思っているのに、今楽しむことにお金を使い、なかなか貯金が増えない、という若い人も多いかと思います。働き方が見直され、自分の時間が増えたために、思いがけず自己投資や趣味にお金をかけるようになったという人もいるでしょう。

ですが、今や人生100年時代。早いうちからゆっくりと、老後に備えておく必要があります。そうすることで、負担が少なく将来のお金を準備できることになるのです。

この点について、以下のプロファイル設定を基に考察してみましょう。

34歳・独身会社員・女性、趣味のロードバイクやマラソンも続けたいが、数年以内に結婚や出産した場合も見据え貯金も増やさなければと考え始めています。

【プロフィール】
名前:青柳 洋子(仮名、34歳・未婚・一人暮らし)
職業:会社員(年収500万円)、
貯蓄:貯金300万(医療保険:4000円/月)
趣味:ロードバイク・マラソン

【現在の状況】
・大手企業の正社員。仕事はほぼ定時で退勤し、残業しても19:00には帰る
・週1~2回は会社帰りにジムに行く。体を動かすのが好きで外をジョギングすることもある
・休日にサイクリングロードを走り、少し遠出をする。目的はストレス解消と風を感じること
・バイク用品やウェアを揃える為にお金を使うが、日ごろ浪費をするタイプではないのでこの分は許容範囲としている
・子どもが欲しい、そのための体力維持が高じて身体づくりにはまっている。がん検診も欠かさない
・同い年の恋人の仕事が忙しすぎて、結婚の話がすすまないのが不満 
・サイクリングを続けるなら東東京に引っ越そうかと考えている(江戸川、荒川狙い) 

30代は人生100年時代の土台を作る時期

日本人の平均初婚年齢は、男性31.1歳、女性29.4歳です(厚生労働省「人口動態調査」(2017年)より)。結婚、妊娠出産費用、早ければマイホームの購入など、お金が必要な事柄が控えている年代です。一方で、独身時代のお金遣いが修正できないまま、自分の好きなことにお金を使っていてなかなかお金が増えない、ということもあるようです。

都内にお住いの洋子さん(34歳 独身会社員)も、お金を貯めなくてはと思っているのに貯めることができないそうです。年収は約500万円。貯金もこれまでに300万円ほど貯めてきましたが、最近はほとんど増えていません。

働き方改革で残業もあまりできなくなり、ほぼ定時に帰宅しています。好きなことは、スポーツジム通いとバイク。残業がないことで収入は減ったのですが、時間ができたことで今まで以上にそれらに時間もお金も費やすことになりました。

一方で、夢は彼との結婚。年齢的に出産のことも気になります。子どもができたら、出産や産前産後・育児休業中のお金が必要ですし、復帰後も保育園費用等の支出や時短勤務による収入減なども考えられます。そういうことが頭にあるのですが、まだ先という思いもあり、「貯める」ことに取り組めていないようです。

ですが、急に結婚だ、子どもが生まれる、ということだってあるでしょう。そのときに慌てないために、貯めておくことは大切です。趣味などにお金をかけるのであれば、それ以外の支出を抑えること、貯金は先取りにして、残ったお金で暮らすことができるよう、支出の規模を小さくする工夫が必要です。

老後資金は40代になる前から意識を

洋子さんの人生では家族を持つことが当面の目標かもしれませんが、もし、今後家族を持つようになるのなら、教育費も必要でしょうし、もしかするとマイホーム資金や旅行資金も必要かもしれません。そして、さらには自分たちの老後資金も。いったいいくら貯めればいいのかわからなくなってしまうほど、将来に向けてお金が必要です。

お金は急には貯まりませんから、いつ状況が変わっても、お金が必要なことがおきても、支払いに困らないお金を作り始めることも、30代には必要なことです。コツコツ貯金をすることも大切ですが、万が一収入が途絶えても生活に困らないほどの貯金ができたら、先の長い将来に向けて、コツコツ投資をしていくことも良いでしょう。

「投資は怖い」「損をする」そんな印象を持ってしまっている人もいるでしょう。「敷居が高い」と言う人もいます。ですが、そんなことはないのです。

今では100円から、500円からと低額から投資を始められますし、複数の商品を組み合わせた「投資信託」への投資であれば、リスクを分散して投資ができます。価格の変動があるので、ときには減ることもありますが、長い目で見ると増える可能性の方が高いのです。

今はやりたいことがたくさんあり、すぐに必要になるかもしれない目先のお金の準備が先決、ということも間違いではありません。ですが、今から始める投資は時間を味方につけることができ、複利といって利息にもさらに利息がつく増え方をしますから、たとえ少額から始めても、将来に向けて大きく膨らませていくことが可能になるのです。

将来を描くと、資産形成にはつみたてNISA

このようなことを意識できれば、お金を貯められなかった洋子さんのような方も投資に興味を持ち始められるのではないでしょうか。

貯金もそんなに利息がつかないし、給料も増えない。そのような中で将来に向けてお金を作り上げていくのに、まずは投資信託の積立を考えてみてはいかがでしょうか。それには、まず支出を絞り、先取り貯金をしても困らない暮らし方を習慣化させましょう。

こういう時に役立つのは支出を「消費」「浪費」「投資」の3つに分ける、家計の三分法です。
>>(参照)自分らしくお金を貯める方法を見つけよう

ジムへ行く回数を少し減らし、自分があまり重要だと思っていない支出はないかを見直すだけでも、随分と違うと思います。好きなことを辞める必要はありません。好きなこととの付き合い方を見直すだけです。

こうして貯金が可能となり、それが安定し、投資について極端に否定的に思わないようであれば、積立投資信託にチャレンジしてみましょう。まずは3,000円程度からでも、5,000円でも良いでしょう。投資をして興味が持てたなら、少しずつ金額を増やしていけば良いと思います。

投資を継続する自信がないということでしたら、まずは課税口座で始めるのでも良いと思いますが、長期の少額投資には「つみたてNISA」という運用益が非課税の制度があります。1年間積立て購入した投資商品が、20年間非課税なのです。このような制度の活用も始めてみましょう。

年間の投資上限額は40万円ですし、始めたばかりでは税金のことなど考えるほど金額が増えるはずもないのですが、最大20年間利用できますので長い目で見ると、運用益に対してかかる20.315%(現時点での税率)の税金は大きいと思います。

もう1つiDeCo(個人型確定拠出年金)という制度もあります。これは今のところ60歳まで解約できませんから、積み立てたお金を途中で必要に応じて使うことができません。ですから、ご自分で老後資金を貯めようと思い始めてから利用すると良いでしょう。