株式会社Money&You取締役であり、ファイナンシャルプランナーの高山一恵先生によるマネックス証券セミナー、女性のための初めての「賢いお金の貯め方、増やし方」レポートです。

>>未来のお金を自分で増やす――女性のための「賢いお金の貯め方、増やし方」(前編)
>>貯蓄ができる人に共通する6つの習慣・考え方―女性のための「賢いお金の貯め方、増やし方」(中編)

リスクとリターンは表裏一体の関係

お金を増やすためには、預貯金だけでは難しい状況です。なぜなら、今、メガバンクの定期預金の金利は0.01%。単純に計算して100万円預けても100円。税金を引かれたら100円を切ってしまいます。やはり、不動産や資産運用も必要ですし、そのためには節税は不可欠です。

この4つのどれか1つだけに偏らず、バランスよく活用することがお金を増やすコツといえます。

商品を選ぶ際に、「損することはいや、だけど利益はたくさん欲しい」というのは多くの人が望むことかもしれません。しかし、そんな都合のいい商品はありません。逆にこんな商品を勧められた詐欺と思っていいでしょう。

リスクとリターンは表裏一体です。リスクが低ければ、リターンも低くなります。リスクが高ければ、期待できるリターンも高くなります。となると、「預貯金」はローリスク・ローリターンの商品であり、「商品先物」はハイリスク・ハイリターン商品となります。

このように、金融商品を選ぶ際には、リターンだけではなく、そのリターンを得るためにはどの程度のリスクがあるのかも確認することが大切です。

お金を育てることは「複利」を味方につけること

お金を増やしたいと思うときに、大きなカギとなるのは「金利」です。

グラフにあるように、毎月3万円を30年間積み立てた場合、複利で利回り1%では30年後に約1,260万円、それが、利回り5%になると倍の約2,507万円になります。

【図表1】積立総額の複利と単利の差
出所:高山氏作成

お金を増やす上で、「金利」の次にカギとなるのは「複利」です。

複利とは、利子にもまた利子がつくことです。例えば、100万円を金利2%で1年間預けると102万円です。さらにこの102万円を再度金利2%で1年間預けると104万円ではなく104万400円になります。利子である2万円に400円の利子がつきました。利子を元金に含めて、この元金に含めた金額でまた運用することで、大きく増やすことができるのです。

一方、複利の反対語で「単利」があります。単利は利子を元金に含まないことです。100万円を2%で1年間預けると102万円です。利子の2万円を元金に含めずに、100万円を再び2%で預けることになるので102万円です。

結果、複利の場合は、2年間預けることで104万400円になりましたが、単利の場合は2年預けて104万円です。

値動きと上手につきあうには

投資商品は、商品の価値が上がるときもあれば、下がるときもあります。値段が上がったり、下がったりという値動きの心配を和らげるために、昔から伝わる投資格言があります。

「ひとつのかごに卵を盛るな」

です。

1つのカゴに全ての卵を盛ると、そのカゴが落ちれば全ての卵が割れてしいます。しかし、たくさんのカゴに分けて卵を盛っていれば、そのうちの1つのカゴを落としても、他のカゴの卵は無事ということです。

大切なお金です。1つの商品にすべて投資すると何かあったときが大変。しかし、複数の商品にわけて投資、つまり分散すれば、少ないダメージで済むということです。

相関関係の低い資産の組み合わせ

ただやみくもに分散すればいいというものではありません。例えば、ソフトクリームと冷やし中華を売っているお店と、ソフトクリームとおでんを売っているお店があるとします。

ソフトクリームと冷やし中華を売っているお店は、暑い夏の時期の売り上げは高くなりますが、寒い冬の時期の売り上げは低くなります。

一方、ソフトクリームとおでんを売っているお店は、暑い夏の時期にはソフトクリームの売り上げが高くなり、寒い冬の時期にはおでんの売り上げが高くなりと、1年通して安定的に売り上げを保つことができます。

このように、国内株式だけに分散投資しても、調子がいいときと悪いときがあるのでリターンのブレ幅は大きくなります。

しかし、国内・先進国・新興国の株式と債券に投資すれば、日本株が調子悪いときでも、新興国の株式が調子よかったりなど、値動きの要因が異なるので、トータルでマイナスになることが少なくすむ可能性があります。

やはり、値動きが異なる投資商品に分散投資することが大切です。

【図表2】分散投資によってリターンが安定する例
出所: Bloombergの資料をもとに高山氏作成

積み立て投資で時間分散

投資をやってみたいけど、まとまったお金がないという人には積立投資が向いています。

例えば、投資信託を毎月購入することにします。

毎月、一定額を積み立てることで、投信の基準価額が高いときには少ない口数を、基準価額が低いときには多くの口数を購入できます。これを「ドル・コスト平均法」と言うのですが、1口当たりの購入金額を低く抑えることができます。

【図表3】ドル・コスト平均法の例
出所:高山氏作成

「iDeCo」「つみたてNISA」税制優遇制度の活用

積み立てで将来のための資産を増やすことは、豊かな老後生活への近道と言えます。

老後資金を貯めるのに役立つのが、今話題の「iDeCo」と「つみたてNISA」です。どちらも、長期的に資産を増やすための商品で、20歳以上の人なら誰でも利用できます。

「iDeCo」とは、加入した人が金融機関を通じて毎月積立てて、自分で投資する金融商品を選び運用、原則60歳以降に年金または一時金として受け取ることができます。将来受け取る年金額は決まっておらず、自分が選んだ金融商品の運用結果次第です。

人気となっている理由は、毎月の掛け金が全額所得控除され、運用益も非課税で再投資され、受け取るときも、一時金の場合は「退職所得控除」、年金の場合は「公的年金控除等」が適用される、税制のメリットがあるからです。

「つみたてNISA」は、100円から積み立てることができます。年間投資上限額は40万円、20年間は運用益は非課税になるなどのメリットがあります。また、いつでも必要な分だけ引き出せるので、もしものときも安心です。

 

マネーライター 金野 和子
「日経マネー」で記者として13年働いた後、フリーのマネーライターとして独立。マネー雑誌や女性誌などで金融全般の記事を執筆。また、保険の新書、クレジットカードのムック本、WEBなど幅広い媒体で活動中。