2018年5月24日(木)Market TalkのSummary

ドッド・フランク法の一部を改正する法案が下院で可決されましたが、米国の金融緩和規制緩和でドルの供給が増えると日本株にも影響を与えますか?

リーマンショック以降、アメリカの金融機関はがんじがらめになっていて動けなかった。規制緩和で投資銀行などがバランスシートを使ってリスクアセットへの投資や融資といったビジネスを手掛けやすくなる。流動性の増加という意味で資本市場全体にとってプラスとなるので日本株にも影響はでてくるのではないか。もちろん株式相場にとってはポジティブな要因の方が大きいが、そこでのリスクはよりバブル化しやすくなる、ということだろう。

日経平均の下げがきついが、一時的なものか?23,000円の壁の正体は?

ここまで1本調子で上げており、利益確定売りが出やすい水準であることは間違いないが、その利益確定売りを出させる材料となったのが米朝首脳会談と直近の円高だが、テクニカル面でみて短期的な過熱感はあったのは事実なので、一時的な調整ではないか。

 
昔の相場格言では小回り3か月、大回り3年と言ったりするが、最近は短期指向になっていて2か月でサイクルが変わっている。昨年9月秋から上げ2か月→揉み合い2か月→1月の年初来高値から3月の暴落まで下げ2か月、そして今週の23,000円台回復まで2か月、というように3月23日をボトムとした戻り相場が23,000円をつけたところでちょうど小回り2か月と相場の潮目が変わるところにきている。ではこのまま下げ相場になるのか、というとそうではなく、1回ここでストップして下げてまた戻す、つまり2か月のサイクルでみれば7月下旬ごろまで23,000円どころで揉み合うのではないか。ただこれも米朝首脳会談や6月の米利上げを受けた米国のマーケット次第ではあるが、これらが穏当に過ぎればここ2か月くらいはこの状態(23,000円の揉み合い)だろう。 

その後は、7月下旬から4-6月期の決算発表が始まるので、ここで(決算が)悪くないスタートであると確認できれば、上昇相場に転じていくのではないか。 そこでは、吹いたところはいったん利益確定売りでも悪くないと思うし、下げたところは押し目を拾っていくのもよいだろう。
また、もしこの夏にサマーラリーがあるとすれば、そこでしっかり利益を確定し、(ポジションを)全部売るのではなく軽くして9月の自民党総裁選や米国中間選挙を控えた波乱相場に臨むのがよいだろう。なお、このシナリオがひっくり返るリスクとしては、米朝首脳会談が実現するかどうか、国内の政治情勢(解散総選挙の可能性)が挙げられる。

乱高下している米国市場ですが、中小型株が強いと聞きました。

トランプ減税の恩恵を受けるのは、ドメスティックなビジネスをやっている中小型の企業なので、中小型株はよいと思う。アップルやボーイングなどの大企業は減税の恩恵はあるものの、中小型の企業ほど減税のインパクトは大きくない。ただ問題は玉石混合であること。ラッセル2000にしても半分ぐらいの企業は実質赤字と言われているので、選択肢としてはファンドマネージャーがスクリーニングをかけた(米国の中小型株で運用している)投資信託がよいと思う。

中長期の観点から注目できるセクターは何でしょうか?

日本はいまだに電機産業や自動車産業といった「○○業」で語られるところが弱いところで、米国だと、例えばフェイスブックは何屋なのか、グーグルは何業になるのか、アマゾンは小売り業なのか ‐ 今は「業」でくくられる時代ではないと思う。

 「注目できるセクター」ということでいうなら、今のテーマは「データを使っていかにビジネスを行うか」に尽きる。AI、自動運転、電気自動車など、革新的な技術は全部データが基礎になる。これからはデータをマネージできる、活用できる企業が強いだろう。例えばリクルートはデータ会社を買収したが、ソニーのセンサーやオムロンのロボットなど、ハード面においてもデータというのは切り口となる。他に野村総研やトレンドマイクロなどのサイバーセキュリティ関連企業等、中長期的に注目できるのはこれからのデータ資本主義時代にデータをうまく取り扱える、データ回りの企業であろう。

このコーナーでは毎週原則木曜日に実施しているMarket Talk(動画セミナー)のサマリをお届けします。