より効率よくお金を貯めていくには、投資は大切なものです。ですが、家計状況がしっかりしないままに投資を始めて、失敗してしまうと困ることになります。それを防ぐために、「投資はしっかり貯蓄ができてから」などということもあります。ですが、その投資を始める前にどのくらいの貯蓄があると大丈夫なのか、安心なのか、その目安は随分とわかりにくいものです。

いつも貯蓄は3つの口座に分けて作っていこうと話します。お金を貯める目的別に口座を作るのです。その口座を袋に見立て、私は「3つの袋」として説明したりもします。

準備したい口座は、「使う」「貯める」「増やす」という目的を持った口座です。できれば別々の口座を持つことが望ましいでしょう。貯める口座と使う口座を一緒にしてしまうと、いったいいくらたまっているのかなどがわかりにくかったり、使いすぎを起こすこともあるため、別々にします。

では、口座の役割と金額の目安を見てみましょう。
まず、「使う口座」です。いわば生活費をやりくりする口座で、次の給料日までの間に金額が減っていきます。そうして給料が入ると元に戻る。戻るだけではなく、支出が少なく済めば、もともとあった金額以上の金額になるでしょう。多少のイレギュラー支出があっても他の口座に影響を出さないように、金額は毎月の生活費の1.5か月分を入れておきます(バッファーとして0.5か月分を多く入れておくのです。当然、使っていいという認識ではなく、どうしてもの時のためにです)。生活費が月30万円の人であれば、45万円が目安です。そして、給料が入ってすぐに1.5か月以上になる月、例えば残高が50万円になるような月が3か月以上続いているならば、そのあふれている5万円を、次の「貯める口座」に移動させます。

この2段階目の「貯める口座」は、いわゆる「生活防衛資金」の口座で、最低でも月の生活費の6か月分を入れておくのが理想です。職を失ったとか、病気をして収入がなくなったなど、万が一の事態に備えるものなので、事情がない限り使ってはいけないお金です。もし、教育費やマイカー購入費などの資金も必要な場合は、この6か月分とは別に準備します。手取り月収30万円の人だと、6か月分の180万円に加えて、教育資金額、マイカー購入費が必要だということです。

3つ目は、「増やす口座」です。いわゆる証券口座などがこれにあたります。もちろん、投資を好まない方は、銀行口座で預貯金として保有しておいてもよいものです。ここは生活には直結しない余裕資金の部分。自分が知識を得てきて、やってみたいと思っている投資をここでならしてみてもよいでしょう。

この3つの口座は、順に作り上げていくことが、正しいお金の貯め方だと言えます。ただ、2番目の「貯める口座」に必要なだけの金額を貯めるのが大変、という人が結構いらっしゃいます。そういった方には、貯めるコツとして、「手取り月収」の6分の1をコツコツ貯めていくという方法をお勧めしています。毎月のやりくりを引き締め、貯蓄額をしっかりするのです。これを3年貯め続けると、ボーナスが仮にない人であっても手取り年収の半分が貯まります。ゆとりがあるときはそれ以上を貯蓄に回し、他に必要な資金も貯めていくことができます。一つの目標の貯蓄メドとして、知っておいてください。

さらに、こうやって貯めている間にも、投資をしたいんだという人が最近増えています。最近はiDeCo(個人型確定拠出年金)や、つみたてNISAといった、非課税制度を活用でき、長期的につみたてながら分散投資ができる投資制度ができました。リスクもあまり高くなく、いわば貯蓄代わりにできるような投資の仕組みです。

ですから、2つ目の「貯める口座」にお金が十分貯まるにはかなりの時間を要してしまう、と焦る方には、貯蓄と投資を「並走」させることもよいと思います。正直、この段階は「どうぞ投資を始めてください」といえる段階ではないですが、リスクが少ない投資を、貯蓄の沿線上にあるものと考えると、「あり」ではないかと思うのです。個別株への投資やFXなどはこの対象とはしません。並走ですので、貯蓄もしながら一部を投資でつみたてる、そういうイメージです。

お金を貯めている段階、比較的早い段階で並走を始めると、お金に対する気持ちの面で、変化が現れることが多いものです。お金や家計に興味がわくことが多いので、自然とお金の話題、株価の推移などを見たり、今のお金の状況や情報を把握しようとすることが身につきます。情報を得ようとします。そして、結果、もっと良いお金の使い方をしよう、必要のないところへの支出はカットして、より投資に回してお金をつくっていこうなどと意識が変わり、良い循環を作りやすくなるのです。

このように、状況や考え方によりやり方を変えつつも、基本貯めるべき金額を意識しながら投資を始めると、失敗も少なく、資産を増やしていけるのではないでしょうか。

3つの袋とは割と昔からある考え方で、かつ、個別により変化を加えて活用したりもします。以上を参考に、ご自分ならどうするか、どう設定するかを考えてみると、よいのではないでしょうか。

コラム執筆:横山光昭(よこやま・みつあき)

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