※本コラムは、6月より水曜日に変更いたしました。
ナスダック総合指数が過去最高値を更新しています。2月2日に発表された1月の米雇用統計で、賃金の伸びが予想を大きく超えたことから、利上げペースの加速観測が浮上し、これをきっかけに金利が上昇したことで、米国株は下落基調に転じました。26,600ドル台をつけていたダウ平均は、その後の下落で23,000ドル台半ばまで押し戻されました。S&P500も同様に大きく下げました。その後は戻りを試したものの、ともに1月に付けた過去最高値を更新できずにいます。しかし、ハイテク株・IT株中心のナスダック総合指数は3月に一度過去最高値を更新し、その後は下落したものの、6月に入って再び力強い上昇を見せ、過去最高値を更新しています。金利上昇圧力で上値を抑えられる場面がありましたが、最近は米長期金利が3%を下回る状況が続いていたこともあり、金利上昇に比較的敏感に反応しやすいハイテク株は上昇しやすい地合いにあったといえます。

それにしても、この強さはどこからくるのでしょうか。やはり、ハイテク企業が保有する技術や独自性、新しいビジネスモデルなどを背景とした力強い業績の伸びあるいは将来への期待があるといえるでしょう。これらの企業は、現在市場での懸念の一つになっている貿易問題などの影響を受けにくく、心理面でも買いやすいことが、投資家の資金を向かわせているといえます。また、 前回の本欄でも解説したように、著名投資家のウォーレン・バフェット氏がアップル株を好んで買っていることも、投資家の買い安心感につながっている面はあるでしょう。現在、ハイテク株の中でも上昇が顕著なのは、ネットフリックス、エヌビディア、アマゾンです。これらの銘柄は上場来高値を更新しています。言うまでもなく、これらの企業が提供する技術やサービスは、これまで存在しなかったものです。特にアマゾンについては、ネット小売販売企業と思われていますが、実際にはクラウドサービスやスピーカーなどのハードビジネスに進出しており、収入源が多様化しています。このような業態変化も業績拡大と株価上昇につながっているといえます。

これまでも「2020年までの米国株の上昇局面では、ハイテク株が牽引する」と言い続けてきました。現在のように、米朝関係の行方や米中貿易戦争への懸念、欧州連合(EU)やカナダ、メキシコなどとの関税交渉、さらにイタリアの政局不安や米国によるイラン核合意破棄など、様々な不透明要因が存在しているときには、投資家心理はどうしてもネガティブになりがちです。しかし、そのような状況に目もくれず、成長企業は着実に収益を拡大し、株価も上昇しています。上記のような、ハイテク分野での「王道銘柄」に投資をしておけば、現在のような不透明といわれる状況でも、十分な成果を上げることができます。上記以外の銘柄でも、フェイスブックやアップル、マイクロソフトなども徐々に株価の水準が切り上がってきました。上記の3銘柄の堅調さが、他のハイテク株にも波及していきそうです。また、ツイッターも忘れてはなりません。高値を大きく更新しています。このように、これまで低迷していたハイテク株にも目が向き始めています。上記以外にも、期待が持てる銘柄や企業があるかもしれません。多少割高でも、成長性が期待できる銘柄であれば、投資してみるのも一考でしょう。将来の成長性が期待できるのが米国株の魅力です。やはり、株式投資は米国株を中心に行いたいところです。

 

江守 哲
エモリキャピタルマネジメント株式会社・代表取締役
大手商社、外資系企業、投資顧問会社等を経て独立。コモディティ市場経験は25年超。現在は運用業務に加え、為替・株式・コモディティ市場に関する情報提供・講演などを行っている。
著書に「1ドル65円、日経平均9000円時代の到来」(ビジネス社)
「LME(ロンドン金属取引所)入門」(総合法令出版)など
共著に「コモディティ市場と投資戦略」(勁草書房)